日米韓のロボット科学者たちが力を合わせ、人間の皮膚のように伸縮性のあるソフトロボット技術の開発を進めている。アメリカ国立科学財団(National Science Foundation =NSF)が資金を支援する。
ネバダ大学のキム・グァン教授は、日本の産業技術総合研究所(AIST)、韓国KAISTと共同で、ポリマーベースの材料を、人工筋肉として活用するプロジェクトを進めている。同プロジェクトは、NSFのPIRE(Partnerships for International Research and Education)プログラムの支援を受けて行われており、米ユタ大学、ニューヨーク大学などの科学者も参加している。
ユタ大学のカム・ラング(Kam Leang)教授は「ロボティクス分野は動くだけでなく、感じられるようにすることが重要になっている」と指摘。伝統的なロボット工学では電気モーターを使用したが、PIREプロジェクトでは電気活性ポリマー(Electroactive polymers)素材を使用するとしている。電気活性ポリマーは動作を感じることができるので、ソフトロボットのための強力なソリューションになるという指摘だ。
研究チームは、すでにそれらの物質を3Dプリンタの材料として活用する技術を確保している。また、3Dプリンタを活用して、人工筋肉でできた手を作ることにも成功している。過去20年近く、電気活性化ポリマー素材を研究してきたキム・グァン教授は、ソフトロボット分野は「全く新しい領域だ」とし「毎日のように学びがある」と述べている。同プロジェクトは、昨年末NSFの資金支援が決定され研究の初期段階にある。