「マスターアルゴリズム」著者が預言する人工知能の未来

マスターアルゴリズム_スーパーAI

「スーパー人工知能である『マスターアルゴリズム(The Master Algorithm)』は、人類の大革新の原動力になるだろう。これを支配する者が、将来の世界の支配者となる」

 人工知能分野の世界的な権威であり、ベストセラー作品「マスターアルゴリズム」の著者であるペドロ・ドミンゴス(Pedro Domingos)氏(米国ワシントン大学教授)は11日、世界知識フォーラムの「2100メガトレンド:AI時代」セッションで、スーパーAI時代の到来を強調した。

 ドミンゴス教授は「有名な未来学者であるレイ・カーツワイルは、人工知能が人間の知能を超える瞬間を“特異点”と規定したが、これは技術が自ら無限に発展することができる時点を意味する(中略)現在もAIが導き出した結果を、人間が理解していない場合がしばしば(中略)そのような点から、すでに特異点を超えたとみられる」と自説を展開している。人間がいなくとも、AIが自ら技術を開発する時代が迫っているという主張だ。

 それと共に彼は“進化ロボット”の開発の試みを事例として挙げた。クモのデータを自動で収集・分析するAIが3Dプリンタに接続され、3DプリンタはAIの指示に応じて自動的に進化クモロボットを生産するシステムの開発の試みが既にあるという。ドミンゴス教授は「もし人類の歴史にターミネーターが実際に登場するのならば、そのような方法で現れるのではないか」と観測を示した。

 ただし、彼はその技術水準のスーパーAIを、マスターアルゴリズムと呼ぶかどうかは断定が難しいともいう。現在AIは、記号論、統計学、心理学、進化生物学、神経科学などを参考にして、それぞれ5つの方法で設計されているが、この方法を統合して設計してこそ、真のマスターアルゴリズムが完成されると主張する。

河鐘基

記者:河鐘基


1983年、北海道生まれ。株式会社ロボティア代表。テクノロジーメディア「ロボティア」編集長・運営責任者。著書に『ドローンの衝撃』『AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則』(扶桑社)など。自社でアジア地域を中心とした海外テック動向の調査やメディア運営、コンテンツ制作全般を請け負うかたわら、『Forbes JAPAN』 『週刊SPA!』など各種メディアにテクノロジーから社会・政治問題まで幅広く寄稿している。