「マスターアルゴリズム」著者が預言する人工知能の未来

 例えば、記号論を基に設計されたAIは、インターネット上のデータを帰納的に収集・分析する。一方、神経科学に基づいて作られたGoogleのアルファゴなどは、人間の脳に似た、全く別のシステムなのだが、これらを統合する作業が必要だという。

「5つのアルゴリズムをひとつに統合したマスターアルゴリズムが登場すれば、科学の歴史の中で最も偉大な進歩になるだろう(中略)16世紀のデンマークの天文学者ティコ・ブラーエが惑星の動きをデータとして残し、ヨハネス・ケプラーがこれをもとに惑星の運動法則を作り、アイザック・ニュートンはそれらをもとに万有引力の法則という絶対的な真理を示した。今日、ビッグデータは、数十億人分のブラーエとケプラーの役割を果たしており、これをもとに、より多くのニュートンが生まれるだろう」(ドミンゴス教授)

 また、ドミンゴス教授は、彼は、「家電メーカーや自動車メーカーの人工知能関連企業買収が目立っているが、現在はマシンラーニング(machine learning)技術を確保していなければ、企業の生存を保証することができない時代になった」とも強調した。

河鐘基

記者:河鐘基


1983年、北海道生まれ。株式会社ロボティア代表。テクノロジーメディア「ロボティア」編集長・運営責任者。著書に『ドローンの衝撃』『AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則』(扶桑社)など。自社でアジア地域を中心とした海外テック動向の調査やメディア運営、コンテンツ制作全般を請け負うかたわら、『Forbes JAPAN』 『週刊SPA!』など各種メディアにテクノロジーから社会・政治問題まで幅広く寄稿している。