ドローン制御ソフト開発大手「AIRMAP」にマイクロソフトやエアバスら続々投資

ロボティア編集部2017年3月3日(金曜日)

 マイクロソフトと航空機メーカー・エアバスが、ドローンソフトウェア企業エアマップ(AirMap)に大規模な投資を敢行した。

 海外メディアの報道によると、エアマップ(AirMap)は、マイクロソフトベンチャーズから2600万ドル(約29億6000万円)の投資を誘致したとされる。エアマップが確保した資金は現在、約4300万ドル(約49億円)。マイクロソフト以外にも、エアバスベンチャーズ、クアルコムベンチャーズ、ソニー、楽天、中国・ユニック(Yuneec)から投資を受けている。

 エアマップは、ドローンオペレーターが飛行条件や地域、国内空域の規定を知ることができる技術を提供し、ドローンおよび航空業界から多くの注目を集めている。空港の交通管制オペレーターが同社のソフトウェアを使用すれば、周辺を飛行するドローンを確認することができる。

 昨年6月、元アラスカ航空グループ社長兼CEO、ウィリアム・ビル・エイヤー(William Bill Ayer)氏は、エアマップの理事会に参加。その席で「エアマップがいつの日か、既存の航空交通管制システムおよびナビゲーション技術を統合できると期待している」と話している。

 マイクロソフトベンチャーズの責任者であるナガラジュ・カシャップ(Nagraj Kashyap)氏は、VCチームが昨年5月に発足して以来、ドローン分野に投資したのは初めてだと説明している。

 マイクロソフト側はまた、「ドローン事業を直接手がけるわけではないが、エアマップのような新興企業が顧客にサービスを提供する際に役立つクラウドコンピューティングインフラを(我々が)提供することで、最終的に利益を得ることができる」と説明している。これはユーザーが、ドローン分野において、マイクロソフト社のクラウドプラットフォーム「アジュール(Azure)」を使用する場合、自社の利益につながるという構想である。

 一方、投資に参加したエアバスベンチャーズCEO、トーマス・デ・アルワン(Thomas d 'Halluin)氏は、エアマップチームとエアバス本体の仲介役を果たすとした。今後、両社の航空交通管理システムを統合する作業も、そのひとつになると説明している。

 またエアバス側は、エアマップの技術は革新的であるものの、まだ新興企業であるため、技術の拡張と安定した動作確保に努力を傾けるべきだと強調している。アルワン氏は「私たちは、エアマップが航空分野でトラフィックパターンを安定的に確保するためのインフラ構築を支援する」と述べている。加えて、ドローンが商用化されれば、それらを含めた新しい航空交通管制システムが重要になるだろうと予想している。

 カリフォルニア州サンタモニカに拠点を構えるエアマップは、NASAと航空交通管制システム分野で協力する企業のひとつだ。50人の従業員を抱えており、最近では、NASAエイムズ研究センター(NASA Ames Research Center)と、ベルリンにもオフィスを構えている。

photo by Airmap