FBIの指紋認証技術より高性能!? 生体認証技術「虹彩認証」スマホ搭載へ

ロボティア編集部
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 しかし、このような指紋認証技術に対しては、セキュリティーの脆弱性を懸念する声がある。例えば、米ニューヨーク・タイムズが2017年4月に報道したニュースだ。同紙は、米ニューヨーク大学とミシガン州立大学の研究結果を引用。人間の指紋の多く見られる共通要素を混合した人工的な指紋を使えば、7割近い確率でスマートフォンのロックを解除できると報じた。

 生体認証を搭載した最近のスマートフォンやタブレット、コンピュータデバイスは、指紋スキャナーのサイズが小さく、一瞬にして指紋の一部分のみを読み取る。これはユーザーに、何度も指をかざす手間をかけないようにするためだとされている。一方でユーザーは、指紋認証のために複数の指紋を登録する傾向がある。ネットには、たくさんの指紋を登録できる裏技まで出回っているほどだ。

 結果的に多くの指紋を登録したことが仇となり、人工的に作った指紋であってもほんの一部分さえあっていればユーザーだと認証され、ロックが解除されてしまう。同論文の著者の一人であるニューヨーク大学コンピューター工学のナシール・メモン教授(Nasir Memon)は「例えば、あなたが暗号を30個設定したとして、不正ログインを企むスパム業者は、その中のたった1つを突破すれば済む」と説明している。

 そのように指紋認証技術がセキュリティの脆弱性を問われるなか、近年、生体認証市場を席巻しはじめている技術がある。「虹彩認証技術」だ。虹彩とは、眼球の角膜と水晶体の間にある組織で、目に入ってくる光の量によって瞳孔の大きさを調整する機能を持つ。

 人の虹彩は生後2歳くらいまで成長を続け、完成すると生涯変わらないという特性を持っている。また、虹彩の構造は遺伝的な影響がほとんどなく、その形はそれぞれ異なっている。極端な話、同じ人の左目と右目でも虹彩は異なる。

 そんな虹彩を指紋のように識別に利用するという発見は決して新しいものではなく、80年前すでに提言されていた。発見したのはアメリカ眼科医であるフランク・バーチ(Frank Burch)氏。彼は虹彩の形は人によって全て異なるため、これを指紋のように使うことができると主張し、1936年には関連論文を発表した。しかし当時は、指紋以外の要素で人を識別する必要性がほとんどなかったため、同論文はほとんど注目されることはなかった。