台湾の電子メーカー・フォックスコン(Foxconn)が、ブロックチェーンスタートアップ「Sirin Labs」とともに、「ブロックチェーン・スマートフォン」を開発する。
フォックスコンは現在、「フィニー(Finney)」という名称のアンドロイドベースのスマートフォンを製作している。フィニーは、ブロックチェーンベースのアプリ(=dapps)を集めた専用アプリストア、仮想通貨専用キーを別途に安全に保管できる機能、トークンを簡単に送受信する機能など、仮想通貨ユーザーであれば重宝する機能が内蔵されている。
フィニーは2018年10月頃に、約1000ドルの価格で発売される見込みだという(ブルームバーグ)。またフォックスコンは、「仮想通貨の中心地」とされている8拠点にオフライン店舗を構える計画だという。
Sirin LabsのCEO、モシュ・ホゲグ氏は「キャリアの代理店でもフィニーを買うことができるようになるだろう(中略)先行予約だけでも、2万5000台を超えた(中略)今年の販売目標は最低10万台、最大で数百万台だ」と話している。
なおコインデスクが報じているように、Sirin Labs は7000万ドルの投資を受けており、昨年12月にはICOを通じて1億5700万ドルの資金を集めている。スイスに本社を構えている同社は、開発中の製品が、急成長する仮想通貨やブロックチェーンサービス、アプリケーションなどを簡単かつ安全に利用したいという需要を刺激するだろうとしている。
海外メディアは、フィニーが簡単かつ直感的に貨幣通貨関連サービスを利用できるインタフェースになるという点に注目している。実現すれば、複雑なアドレスや秘密鍵、パスワードを入力する代わりに、虹彩や指紋など、比較的簡単な本人確認の手続きで、仮想通貨を利用することができるようになるからだ。
Sirin Labsは、フィニーを開発するために用いた技術を他のスマートフォンメーカーに提供することで、ブロックチェーン・スマートフォンが普及し、端末価格が下がることも期待している。