美容整形被害をブロックチェーンで食い止める...本場・韓国でBeautyBloc始動

ロボティア編集部2018年6月25日(月曜日)

各産業において普及が進むブロックチェーンだが、整形手術などが盛んな韓国では美容医療をターゲットにした関連サービスが始まろうとしている。ブロックチェーン企業・BeautyBlocは、誇大広告が横行する整形・美容市場の信頼性を回復するという目標を掲げ、自社のICOプロジェクトをスタートさせた。

BeautyBlocは、病院や医師、保険会社、そして消費者が必要な情報を共有することで、美容医療機関の信頼性を高めるソリューションを構想している。例えば整形外科を利用した患者に医師が「説明義務を果たした」か「過剰診療をしなかったか」などのデータベースをつくり、BeautyBlocのユーザーと共有するというものだ。データをすべてのユーザーが共有しているというブロックチェーンの特性上、情報が捏造される可能性がないため、自然と企業・ユーザー間の信頼が形成されるという主張である。また、情報を共有する見返りに、独自トークンがインセンティブとして支払う仕組みを想定している。

BeautyBloc関係者は「ブロックチェーンの技術を活用したBVS(Beauty Value Score)と呼ばれる信頼性評価システムを構築し、インセンティブ制度を導入する。脱中心化された取引プラットフォームを実現することが目標(中略)結果、美容医療市場のコストが低下し、全体的な効率性は高まる」と説明している。また「ブロックチェーン技術の特徴である自動・分散原理を応用して、製品サービスの追跡および登録、消耗品の乱用、偽商品の解決などを実現し、国際的に透明なシステムを構築することで、美容医療産業界の問題点を改善するために寄与する」としている。

同社の説明によれば、すでに国内整形外科、数十事業所がBeautyBlocを活用しているという。現在、韓国だけでなく、中国・日本にも支社を置いて事業を拡大しており、協力会社が増え、共有されるデータが増えれば、医療市場における影響力を高めることができると見通している。

とはいえ、競争が激しい美容医療業界で、BeautyBlocのようなサービスがどれほどの信頼性を担保された情報を共有可能か、懐疑の目もある。韓国のヘルスケア業界の関係者は国内メディアの取材に答え、「ブロックチェーンは偽造の可能性ないとされているが、そもそもユーザー間で共有される情報自体が主観的という問題がある(中略)整形業界は、現在でも過剰診療や誇大広告が蔓延しているが、ブロックチェーンのような技術だけで状況が改善されるのは難しいのでは」と話している。

なお、韓国の整形外科では仮想通貨を支払手段として受け取る企業が相次いで増え始めている。今後、美容医療業界でどのようなブロックチェーンプロジェクトが登場するのか。注目したい。

photo by BeautyBloc HP