塾や予備校は不要「EduHash」がしかけるブロックチェーン教育プラットフォーム

ロボティア編集部2018年8月10日(金曜日)

教育事業者や予備校、塾などを介さず、講師と学生を直接つなぐブロックチェーン教育プラットフォームのコンセプトが海外で好評を得ているという。

EduHashは、ブロックチェーンベースの学習プラットフォーム開発プロジェクトを公開。去る6月に米・サンフランシスコで開催されたブロックチェーン・エコノミックフォーラム(BEF)に続き、8月1〜2日には中国・上海で開催された「2018 AI&ブロックチェーン・イノベーションサミット」に参加した。

EduHashは、既存の教育産業が、塾や予備校などを中心に平均化されたコンテンツで過当競争に陥っている点に注目。認知度の高い人気講師に依存する傾向があり、パーソナライズされたコンテンツや教育動機の付与が欠如していると分析した。そこでブロックチェーンを組み合わせ、P2Pで教育コンテンツをやりとりできるブロックチェーンシステムを提示。学習にゲーム要素を取り入れて、楽しさと学習意欲を付与しつつ、キュレーティングシステムなどで「パーソナライズされた学習」を提供していく計画だ。

P2Pでコスト削減を可能にするだけでなく、ブロックチェーン技術で独自トークンも発行する。これは、講師と学生の双方にインセンティブを付与するしかけだ。学生は良い成績を出すことで、また講師は講義で成果を出し評価を受けることでインセンティブを受けとることができる。

EduHashの関係者は、「我々の目標は、世界中の誰もが教育コンテンツを必要な時間、場所、メディアを通じて得られるようサービスを提供すること。最終的には教育コンテンツ交換プラットフォームを構築していく」と説明している。

中国・LLキャピタルのカトリーナ・ワンCEOは、EduHashについて「教育者と学生が直接つながるだけでなく、コンテンツを消費するだけだった学生が生産者となり販売まで可能なモデルという点で注目のプロジェクト」と言及している。

一方、BEFとAI&ブロックチェーン・イノベーションサミットに参加したエコノミックフォーラム・アジア太平洋地域会長のチョン・ジュンフォン氏も、「EduHashのプラットフォームは、国籍や分野、事業を問わず教育コンテンツを提供し受講が可能。学生も自分の勉強のノウハウをコンテンツとして提供できるうえ、トークンとの連携などブロックチェーン技術に忠実なビジネスモデルが強み」と指摘している。

photo by eduhash HP