各銀行がブロックチェーン(Blockchain)技術を使用し始め、いずれ関連事業に参入するだろうという見通しが語られた。5月20日、投資銀行J.Pモルガでブロックチェーン技術開発に携わっていたAmber Baldet氏は、CNBCのインタビューに回答。「人々が考えているよりも早く、その時点が近づいていると思う」とした。
Baldet氏は、フォーチュン誌が選ぶ「最も影響力のある若者」のひとりに挙げられており、J.Pモルガンのブロックチェーンセンター(Blockchain Center of Excellence)を率いた。また、銀行のエンタープライズブロックチェーン戦略策定およびプロジェクトで重要な役割を担った経歴も持つ。現在、ブロックチェーン技術をベースにアプリケーションを取引できるサービスを提供する新会社・Clovyrを運営している。
Baldet氏は、「J.Pモルガンは、2年前に派生商品および海外決済を精算するためのブロックチェーン技術を開発した。これは業界全体で使用することができる」としている。
17日、J.Pモルガンは、コスト削減とスムーズな証券取引を可能とするブロックチェーンプラットフォームのプロトタイプを発表した。J.Pモルガンのブロックチェーンセンターで専務理事を務めるChristine Moy氏は、メディアに対して「ブロックチェーンは、資本市場のインフラを代替できる潜在力がある」と話している。
膨大な量の資本が取引されている資本市場は、発行者、資産管理者、情報センター、ファンド管理者などさまざまな利害関係者の間に、複数のシステムおよび情報の流れを必要とする。Moy氏は、「多様な参加者が共有する単一化・簡素化されたアプリが提供されれば、コスト削減効果がある」としている。
JPモルガンは、サンタンデールや他の主要銀行、IT業界の主要企業とともに、「エンタープライズ・イーサリアム・アライアンス」(Enterprise Ethereum Alliance)のメンバーを務めている。決済システムにブロックチェーンを導入しようと積極的であり、最近ではリアルタイムP2P内部および銀行間移転に関する特許を提出した。一方、ゴールドマン・サックスも今年、ビットコイン取引センターをウォールストリートに開設する計画を発表している。
Baldet前所長は、そのように金融業界がブロックチェーン技術に対して前向きな姿勢を見せ始めるなか、まだまだ法規制の問題が立ちはだかっているとも付け加えた。
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