デンマークの刑務所に収監中の囚人が、外にいる仲間に必要な道具をドローンで空輸させ、脱獄を図ろうとする事件が発生した。22日、海外各メディアが詳細を報じた。
デンマーク南部にあるニュボー(Nyborg)刑務所の関係者によると、建物4階にドローンが飛来。収監された受刑者が道具を受け取った後、脱獄しようとしたという。ドローンは、携帯電話2台、数種類のボルトなどを乗せてきたと把握されている。
刑務所の関係者は、状況把握後に物品を押収。しかし、ドローンを操縦した一味の身元はまだ把握されていない。
「今回、ドローンを使った脱獄に気づけたのは幸運だった。次回、同じ手法が使われても、気づかない可能性がある」(ニュボー刑務所関係者)
この手の脱獄を防ぐための方法としては、刑務所付近にアンチドローンシステムを導入する方法が考えられる。いわゆる“ドローンパトロールシステム”だ。ドイツのカッセル、および米サンフランシスコに拠点を構えるデドローン(Dedrone)社は、刑務所近くの空域を守るためのソリューション「ドローントラッカー(Drone Tracker)」を提供している。
この手の犯罪が増えるにつれ、アンチドローンシステムの需要は年々高まるとも考えられている。その関連市場は、2022年に世界で約11億ドルまで拡大するとの予測もある。
いずれにせよ、犯罪と最新テクノロジーは切っても切れない関係にある。テクノロジーが人間によい影響だけをもたらすという性善説に立つのではなく、現実的かつ冷静な、対犯罪用テクノロジーの整備も必要となってきそうだ。
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