中国はAI分野の世界的リーダーになれるか...産業勃興の背景とリスク

ロボティア編集部
ロボティア編集部

 中国・深セン取引所に上場した音声・自然言語処理分野のiFlytekは、時価総額が120億ドルに達する。 その音声認識技術は、中国各地域の方言も区別することができるという。

 中国が人工知能を研究する上で圧倒的に有利な部分は、膨大な人口にある。インターネット利用者7億人以上に加え、スマートフォンユーザーが多く、行動パターン、ビッグデータを効率的に収集・活用し、他国よりもはるかに速く大規模な研究と実験を行うことができる。

 専門家たちは、そのような傾向を見たとき、中国がAI分野における世界的リーダーになる可能性が十分あると指摘している。とはいえ、中国がGoogleとマイクロソフトなどの巨人を越えていくためには、政府および業界関係者のマインドが変わらなければならないとする指摘もある。

 中国と西側諸国では、AIにアプローチするスタンスが異なる。西側諸国の場合、人工知能技術のルーツとなる科学、およびインフラに焦点を合わせて研究が進められている。一方、中国では、既存の技術を新たにビジネスや実用用途で適用する方法で研究が進む傾向が強い。

 中国がなぜそうのなかを考えたとき、「具体的な研究結果に対してのみ政府が支援するから」という分析ができそうだ。AIの基礎科学研究には多くの時間がかかる。つまり、大きな経済的リスクが伴う。とはいえ短視眼的なAI研究が続くのであれば、中国のそれは単なるAIバブルでしかなく、いずれもろくも崩れ去るリスクがある。

 中国が人工知能分野のリーダーになるためには、技術を裏付ける科学的研究に焦点を合わせるしかない。そうなると、研究支援費、研究提案、研究プロジェクトの影響評価基準などを変えていく必要があるが、その可能性は未知数となっている。

 さらに言えば、海外技術やノウハウへのアクセスが妨げられているという点も、中国のAI発展を阻害する潜在的なリスクとなる。ペンタゴンレポートによると、過去6年間、中国人は米AIスタートアップに7億ドル超えの資本を投資したにもかかわらず、米国防総省はこれを「国家安全保障の潜在的な脅威」と判断。中国企業の自国AI投資禁止を望んでいるという。また海外の有名研究者は、彼らの研究を中国が「権威主義的」な目的のために使用すると判断した場合、中国企業・学界への協力を全面拒否するという立場も示している。

 今後、中国はAI分野で世界にどのような影響力・存在感を示していくのか。注意深く見守る必要がありあそうだ。