損傷を自ら修復する「自己再生型ソフトロボット」開発へ…特殊素材を活用

ロボティア編集部
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研究チーム関係者は「熱を加えることで、ポリマー材料により多くの移動性を付与することが可能となり、分子が破損している隙間を埋めることができた(中略)治癒が完了した後に材料を冷却することで、初期特性がほぼ完全に回復した」と説明している。同研究は、「サイエンス・ロボットティクス・ジャーナル」に掲載されており、欧州研究委員会(European Research Council)の後援も受けている。

今年初めには、コロラド大学らの共同研究チームも、自ら治癒する物質の開発に成功。結果を「アドバンスドマテリアルズ」に掲載した。研究者らは、マーベルコミックスの人気キャラクター「ウルヴァリン」からインスピレーションを受けたと公言している。「合成イオン伝導体」と命名されたその物質は、元の長さの50倍まで伸びる弾性があり、破れても24時間以内に室温で完全治癒するそうだ。当初、電気自動車のリチウムイオン電池を念頭に置いて開発されたが、ロボットの自己治癒能力にも適用できると期待されている。

また昨年には、スイス連邦工科大学が自己修復可能な食用ロボットを、またスタンフォード大学が自己修復機能のある人工筋肉を開発した。その他にも、ペンシルバニア大学の研究者らが、イカの吸盤からインスピレーションを得て、自己治療可能なプラスチックを開発している。イカの吸盤についている「リング・ティース(ring teeth)」は、損傷しても水に浸すと自己修復する特性がある。研究チームは、損傷したリング・ティースを修復する遺伝子コードを解明することに成功したのに続き、それを利用し、弾性がある治療用プラスチックを生み出した。実験では、ひとつのプラスチックを半分に切断した状態で水を一滴落とした後、45°Cで放置。するとふたたびひとつに復元し、耐久性も切断前と同じ状態にまで回復したという。

ソフトロボットと自己回復する素材はどんなイノベーションを起こしていくのか。各研究の今後が気になってくる。