映画「エイリアン」のロボットスーツ「パワーローダー」を米企業が製品化

ロボティア編集部2017年12月14日(木曜日)

SF映画「エイリアン2」に登場するロボットスーツ「パワーローダー(Power Loader)」が現実に登場した。

米ソルトレイクに拠点を構えるロボット企業「サルコスロボティクス(Sarcos Robotics)」は、人間の操縦者が遠隔制御できるロボット「ガーディアンGT(Guardian GT)」を開発。同ロボットは、2.13メートルの強力なロボットアームを持ち、227kgのモノを持ち上げることができる。ロボットアームは、人間の操縦者の操作通りに円滑に動くようになっている。

ガーディアンGTは、リアルタイムで動画を転送することが可能であり、操縦者はゴーグルを使ってロボット視点で周辺を確認することができる。またロボットには、ステレオカメラが搭載されていたり、ロボットが物体と接触した際に感じる力をコントローラを通じて操縦者に伝えることもできる。加えて、ロボットアームは大きなモノを掴むだけでなく、コントロールパネルのボタンも軽く押すなど繊細な動きも可能となっている。

サルコスロボティクスのベン・ウルフ(Ben Wolff)代表は「数百パウンドの物体を持つときも、人間が感じる重さは数パウンドに過ぎない(中略)ロボットが人の体のように動けるよう設計した(中略)ロボットの操作方法を訓練を受けなくとも、(操縦者が)簡単かつ直感的に操作できるように設計した」と説明している。

今後、ガーディアンGTは人々が接近することが難しい災害現場や、危険作業の現場、建設現場での活用が活躍されている。サルコスロボティクスは、同製品とともに「ヘビ形小型ロボット」、「外骨格スーツ」なども開発し、近い将来に発売する計画だという。サルコスロボティクスは、1983年にユタ大学からスピンアウト。DARPAなどの資金支援を受け、主に軍事用外骨格ロボットなどの開発に力を注いてきた企業だ。

Photo by Sarcos Robotics