GEが「ヘビ型アームロボット」の企業買収...航空エンジンの修理に活用

Shinji Ikematu2017年6月21日(水曜日)

 米航空機エンジンメーカー・GEアビエーションが、ヘビ型アームロボットで有名な英ロボット企業・OCロボティクスを買収した。

 OCロボティクスは、1997年に英ブリストルで設立された企業だ。人間が接近しにくい狭い空間に投入されるヘビ型アームロボットを開発し、業界内でユニークな地位を築いている。顧客は欧州、北米、アジア全域の航空宇宙、原子力、石油化学、セキュリティ、および建設業界と幅広い。

 OCロボティクスのヘビ腕アームロボットは、到達距離が3m以上で、累積した屈折の角度が180度以上ある場所での作業に最適だとされている。頭部にカメラが搭載されており、柔軟に動きながら、人間が入れない危険エリアや奥まった場所で捜索活動や、対象となるモノの収集作業を行う。

 今回の買収により、OCロボティクスのヘビ型アームロボットとその専門技術は、エンジンの修理など GEアビエーションの顧客サービス部門に投入される。GEエビションのサービス担当副社長ジーン・ライドン・ロジャース(Jean Lydon-Rodgers)氏は「OCロボティクスは、顧客のエンジンをサービスするのに重要な役割を果たしている(中略)買収で部品の修理開発能力が拡大すれば、オン・ウイング(On Wing)サポートの効率が向上し、顧客サポートがはるかに容易になるだろう」と前向きな期待を寄せた。なお買収条件は明らかにされていない。

 一方、OCロボティクスの役員クレイグ・ウィルソン(Craig Wilson)氏は、「OCロボティクスはチームの努力、投資家および英国政府の支援を受けて成長したドリームチームだった(中略)今回の買収で航空部門の成長機会が拡大し、英国の技術が世界舞台で活躍するきっかけになるだろう」と述べている。

 またOCロボティクスの技術ディレクターであるアンディ・グラハム(Andy Graham)氏は「15年間、ヘビ型アームロボットの技術開発に莫大な投資を行ってきた。航空業界は、常に同技術のターゲット市場だった(中略)今回の買収によりOCロボティクスチームは世界最高の組織と繋がり、高度な技術を随所に配置することができるようになった」と喜びを表している。

photo by OC Robotics ウェブサイト

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