背景に合わせて変色!?米・中大学がカメレオンロボットを発表

ロボティア編集部2016年2月10日(水曜日)

 戦場で潜伏する軍人たちの最大の難題は場所の移動。移動時、身を隠すのは難しく、敵に発見される危険性は高まる。しかし今回、中国と米国の科学者がそれらの問題を解決する画期的技術を開発。カメレオンロボットを発表した。カメレオンロボットは周囲の状況に応じて自らの色を変化させることができる。

 ACSナノオンラインは2月8日、中国・武漢大学、広州中山大学、米ジョージア工科大学の科学者たちが共同開発した「能動的変装(active camouflage)」技術と呼ばれる研究成果を公開した。

 研究者たちは、この技術コンセプトをロボットカメレオンに実装。その結果、周辺の壁の色の変化に応じて、ロボットの色が変わることを実証した。研究チームは、このロボットがカメレオンの生体模倣能力を真似て設計されたと説明。いわゆるバイオミメティクス技術のひとつとした。

 変色の技術は、電気を利用した大規模な反射帯域(broad reflection bands)を活性化する方法を使用した。多くの色を作り出すことが可能で、動画まで表示することができる。

カメレオンロボット2 カメレオンロボット3

 また、研究者たちはこの技術コンセプトを開発するために、生体模倣方式のナノドットアレイ(nano dot array)と電気化学バイアスを使用した。

 研究者は「このカメレオンロボットのボディーは、魚のうろこのようなカラーパッチで覆われており、プラズモンセルに反応するように設計された」としている。カメレオンロボットの目に装着されたセンサーには、周囲の状況を感知、把握する機能がある。視覚カメラで得られた情報は、自動的に解析され、体の個々の色のパッチに伝達される。その後、ボディカラーが周辺環境に合わせて変化する仕組みだそうだ。

 現在、カメレオンロボットは3原色の変化に対応するレベルで開発されている。ただ論文には「研究が進めば、より複雑な背景でも変色が可能になるだろう」との期待が示されている。

(ロボティア編集部)