中国30大ロボット企業【第六弾】日本進出続々!ついにバス・トイレ掃除が可能なロボットが登場(上海景吾JingwuAI)

ロボティア編集部2022年10月29日(土曜日)

前回の優地テクノロジーに続き、この会社も日本進出に踏み切った。上海に本社を置く景吾智能(JingwuAI)。同社は自らのロボットを「ホテルをよく知るロボット」と紹介するが、実際のところ景吾智能の商品ラインナップからは彼らのホテル市場への深い洞察やこだわりを強く感じる。むしろホテルをあまりにもよく知るが為に、他社には思いもつかないような異色のロボットを開発しているとも言える。

景吾智能のホテル向けロボットには大きく3つのシリーズがある。「ホテル向け館内配送ロボット」「ホテル向けお出迎えコミュニケーションロボット」そして「ホテル向けバス・トイレ清掃ロボット」であるが、本記事では特に最後の「バス・トイレ清掃ロボット」に注目したい(下写真)。

まずこの、ありそうでなかった独特のフォルムに目を奪われる。スターウォーズや銀河英雄伝説などのSF作品に登場しそうなそのロボットは、「便器全体清掃」「洗面台全体清掃」「鏡面清掃」「床清掃」という4つの機能を実装し、中国においては高級ホテルからシティホテルまで、多くの清掃員の「相棒」として、バス・トイレ清掃を担当している。

興味深いのが、このロボットはあくまで清掃員の相棒として、「二人」一組でタッグを組んで清掃オペレーションを担当するように構想されている事である。ロボットには、ホテル客室内の浴室・トイレ清掃の状況を読み取る為のマルチセンサーが搭載され、ロボットアームがヘラやタワシ、雑巾などを駆使して、縦横無尽に掃除してまわるわけだが、実はロボットは自分で掃除道具を装着する事が出来ない。相棒としてタッグを組んだ人間が、その場の状況に応じて掃除道具を装着してやり、指示をし、「二人」で役割分担をし、まさに二人三脚で客室清掃を完了させるのだ。

同社は現在日本市場進出の準備を進めており、すでに統括マネージャーを日本に派遣したというが、日本ではそもそもホテルの客室設計や掃除習慣などが異なる為に、多少のカスタマイズが必要であると思われ、投入には今しばらくの時間がかかるだろう。

日本のホテル業界は慢性的な人手不足に苦しんでおり、社会全体としても少児高齢化の影響で労働力が減少している。このようなロボットの登場は歓迎される可能性が高い。一方、世界でもきれい好きで知られ、消費者としての要求が高い日本市場において、景吾智能のロボットはユーザーを満足させる事が出来るだろうか。本誌は引き続きこのロボットの動向を注視して行きたい。

最後に、記者はモーニング連載の「宇宙兄弟」(小山宙哉)に登場する「ブギー」というロボットが大好きだが、景吾智能の掃除ロボットは人間とタッグを組んで仕事をするあたり、ブギーとコンセプトが似ていると思う。ブギーは仕事をしながら、いろいろとおかしな事を話しかけて来るが、未来の掃除ロボットにはそのような機能も搭載されるだろうか。