中国30大ロボット企業【第四弾】PUDUロボティクスは本当に大丈夫なのか?(深圳普渡科技)

ロボティア編集部2022年7月8日(金曜日)

今回のタイトルが若干ショッキングなのには理由がある。7月6日付で英語メディアBristol Pressが「配膳ロボットのリーディングカンパニーPUDUロボティクスが1000人の従業員をリストラ」と報じたのを皮切りに、日本でも複数のメディアがPUDU社の大規模リストラ及び経営不振について報じ始めた。中には「経営破綻するかも」「上場など無理なのでは」という論調の記事もあり、弊誌としても驚きを禁じえない。

PUDUロボティクスと言えばサイゼリヤやイオンモールを皮切りに2020年ごろから日本社会に浸透していった猫型ロボットBellabotを思い浮かべる読者も多いだろう。つい先月もその表情コミュニケーションについての連載を本誌でも掲載したばかりだ。絶好調とも見える同社に一体何が起こったのだろうか。PUDU関係者にインタビューを行った。

【記者】報道では人員を削減すると言われていますが本当ですか?
【PUDU】本当です。より高い効率を求められています。
【記者】そんなに人を減らして大丈夫でしょうか。日本市場から撤退の可能性はありますか?
【PUDU】日本市場は世界的に見ても、最も勢いがある市場の一つであり、PUDUにとっての主戦場です。PUDUが日本から撤退する事は現時点では考えていません。
【記者】リストラは社内ではどのように受け止められていますか?
【PUDU】もちろん一緒に奮闘して来た仲間の一部がいなくなる事は辛いですが、我々には市場の要請に応える責任があります。去って行く仲間もそこは理解してくれています。それにCEOのZHANGTAOは、今後PUDUが強くなったらみんなに戻って来て欲しい、いつでも歓迎すると伝えています。私たち残留組は彼らを呼び戻せるように、全力を尽くす所存です。
【記者】PUDUの成長はもはや止まったと指摘する声もあります。会社の空気は暗いですか?
【PUDU】いいえ。チームはかつてない程、高いモチベーションに駆動されています。「PUDUは本当に大丈夫か?」という懐疑的な声がある事は知っています。しかし周りから何と言われようと我々は自分たちの使命を果たして行きたい。日本の皆様にご満足いただけるロボット体験をお届けしたいと思っています。

PUDU社は意外にもこの状況で高いモチベーションを保っているという。2019年からPUDU社と関わり、最初に同社ロボットの日本市場への導入を支援した株式会社エリアカザンの瀬部直樹社長は、同社についてこう語る。「PUDU社は数年前まで数百人でしたが、あっというまに3000人企業にまで成長しました。更なる成長の為には、確かに社内資源の最適化を図る必要はあるかもしれません。PUDU社は開発力とマーケティング力に他社の追随を許さない強さがあり、現在も日本市場で成長して行く為の開発プロジェクトを精力的に続けていると聞いています。あくまで私見となりますが、今回のリストラ騒ぎは同社がさらに強くなる為に、避けて通れない道なのではないでしょうか」

今回のリストラ断行を経て、今後PUDU社がどのように変化して行くかは分からない。しかし少なくとも日本市場に関しては継続して注力して行く方針は変わらないようだ。日本のロボット市場をモニタリングして来た弊誌としては、「ようやく浸透して来たBellabotが日本撤退」という事態になって欲しくないし、できればこのリストラがうまく行き、さらに面白い商品が市場に投入される事を願いつつ、今後の同社を注視して行きたい。

(君もいろいろあるんだろうけどさ)

(まあ、めげずに頑張りなよ!)