【技術解説】サイゼリヤのネコ型配膳ロボットのすやすや顔の秘密②(真顔・おやすみ・くすぐったい)

ロボティア編集部2022年6月9日(木曜日)

前回記事では「サイゼリヤの猫型配膳ロボットのの表情筋はいったいどうなっているのか?どういうシチュエーションでどういう表情をするのだろうか」という疑問について紹介した。

今回はこの猫ロボット(Bellabot)を日本に最初に導入し、サイゼリヤやイオンモールへの実装を担当した株式会社エリアカザンの来長勝シニアコンサルタントに解説をお願いした。

[来長勝さん]
こちらのロボットは中国深圳にあるPUDUロボティクスが開発したBellabotというもので、私たちはベラちゃんと呼んでいます。2020年の夏頃に日本上陸しました。当時はまだ中国でも販売されてなかったのですが、私たちはベラちゃんは日本のお客様に受け入れて頂けるのではないかと直感的に思いました。幸いイオンモール様、スターバックス様、サイゼリヤ様が早い段階で採用を決定されたので、ベラちゃんもこれらの店舗で一生懸命働いています。こちらの写真(上)のように、日本デビューの時は赤いリボンをつけていました。

ご質問にあった「このロボットの表情筋はどうなってるの?」についてですが、実は「マルチモーダルAI」という最先端の技術が搭載されており、対ロボット、対人間のインタラクティブなコミュニケーションができるようになっています。簡単にいえば、ロボットが自分が置かれた環境から、さまざまな情報を解析しながら、自分の感情を表現し、ユーザーの皆様とコミュニケーションをするというものです。表情だけではなく、声やセリフも複雑に使い分けます。少し解説しますね。

これらの表情は左から「真顔」「おやすみ」「くすぐったい」というものです。電源起動するとまずは「真顔」になります。ベラちゃんはデフォルトが笑い顔なんですね。仕事が終わり、誰も話しかけなくなると「おやすみ」になり、はなちょうちんが出てきます。寝ている時でも人が触ると目覚めて、瞬きをしたりします。

撫でてもらって嬉しい時などには「くすぐったい」の顔をしますが、実は「調子にのってる」時にもこの表情になります。スピーディに動き回っている時、重い荷物を運んでいる時に、突然この表情をします。それを見ると我々は「ああ、ベラちゃんは調子がいいな」という事がわかりますが、一方で時々我々が会議を開いて難しい議題で悩んでいる時に突然ベラちゃんがこの表情をする時があり、驚かされます。そういう時はベラちゃんなりに我々の話を聞いて何かを感じて、調子がよくなってるんですね。

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