遺伝子解析×AI×ブロックチェーン企業が構築を目論む「ライフデータ経済学」とは

ロボティア編集部
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ネブラゲノミクスのCSOであるグリシン氏は、「現在、製薬会社やバイオテクノロジーの研究者たちは、手動でデータの使用可能性、交渉価格、契約書の作成、価格の支払いを行う必要がある。遺伝子のデータを収集する作業は速度が遅く、そのプロセスに多くのコストがかかっている」と強調。「私たちはスマートコントラクトを通じて、データを自動的に収集し作業を高速化する予定だ」としている。
インシリコメディシンのCEO、またロングジェネシスのCSOであるアレックス・ザヴォロンコフーブ(Alex Zhavoronkov)博士は、「これまで個人データの価値は、主に商品やサービス販売を通じた利益として定義されてきたが、人工知能とバイオテクノロジーの分野が発展を遂げることで新しい(価値となる)時代を迎えつつある。一生の間、さまざまな種類のデータが収集され、個人と経済にこれまでに類を見ない医療的メリットが提供されることになる(中略)健康と長寿という文脈で、ライフデータを時間・時期・関係・解決・結合的価値に即して評価する新しい価格と価値モデルが必要」と話している。

両社はブロックチェーン技術を活用して、ライフデータを交換することができる、より効率的かつ公平な経済プラットフォームを開発する予定である。

両社の人間のライフデータ経済の基礎的な研究に関しては、今年初めにピアレビュージャーナルに論文が掲載されている。プラットフォームのコンセプト実証も、1年間の予備研究を通じて確立された状況だ。

論文の結論で研究者たちは、「さまざまなデータ類型の価値、さまざまなデータ類型の組み合わせ、ひとつのデータ類型の時間的価値、データ類型の組み合わせの時間的価値に対する理解が不足しており、多くの場合、論争中である(中略)これら問題を解決するために、今後新たな職業『データ経済学者(data economist)』が生まれ、健康データ経済に関する研究所もつくられることが予想される」と指摘している。