書籍から看板まで文字を読み取ってリアルタイム翻訳....ロシア企業ABBYYがグーグルに挑戦状

大澤法子2018年6月22日(金曜日)

OCRとテキストスキャン技術に強い露企業ABBYYが、機械翻訳分野などでグーグルの対抗馬として注目を集めている。

同社の主力製品であるiOS向け「TextGrabber」はスマートフォンのカメラでテキストを捕捉し、瞬時に翻訳するリアルタイム翻訳機だ。同アプリはオンラインのみならず、オフラインでも利用可能。ちなみに、オンラインでは104言語、オフラインでは10言語に対応している。

「TextGrabber」は書籍や雑誌、マニュアル、画面、メニュー、ポスター、道路標識などあらゆる視覚物をデジタル化。捕捉されたテキストは自由にコピー・編集したり、友達と共有したりできるようになっている。また、iOSデバイスに内蔵されたVoiceOver機能を併用し、テキストを読み上げることも可能であり、視覚障害者必携のアプリと言える。

さらに、「TextGrabber」はQRコードリーダーとしての一面を持つ。電話番号、メールアドレス、住所、イベントの詳細をクリックするだけで、即座に電話をかけたり、メールを作成したり、地図上で場所を確認したり、あるいはカレンダーにスケジュールを追加したりできるようになる。

ABBYYの副社長兼製品マーケティング部リーダーを務めるブルース・オ―カット氏は、「ラベル、記章、スクリーンなどが含有する意味のあるデータを抽出し、モバイル機器のカメラで視覚化することで、より良いユーザー体験を生み出すことを狙いとしている。ユーザーは手動でタイプをする手間が省け、そして我々はそのユーザーからデータを取得することができ、まさに一挙両得的な方法である」と海外メディアの取材に対しコメントした。

将来的には翻訳の他、契約書をスキャンし、潜在的なリスクを特定したり、検査結果が記載された診断書を医療機器にアップロードしたりする時に活用するなど、幅広い用途が見込まれている。

参照サイト

Photo by ABBYY

大澤法子

記者:大澤法子


翻訳者・ライター。1983年、愛媛県生まれ。文学修士(言語学)。関心分野は認知言語学、言語処理。医療・介護分野におけるコミュニケーションに疑問を抱いており、ヘルスケアメディアを中心に活動中。人間同士のミスコミュニケーションに対するソリューションの担い手として、ロボット・VRなどがどのような役割を果たし得るかを中心に追及。

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