「30球場で始球式をやりたい」...ネバダ州立大学&MLB関係者が叶えた義手少女の夢

「30球場で始球式をやりたい」...ネバダ州立大学&MLB関係者が叶えた義手少女の夢

Posted date:2018.07.31
Photo by instagram

MLB史上初となる、30球場での始球式を控える少女がいる。米ネバダ州ラスベガスに住む、Hailey Dawsonさん(8歳)だ。7月22日、彼女はアリゾナ・ダイヤモンドバックスとコロラド・ロッキーズ戦を前に、Dバックスのホームスタジアム・チェイスフィールドで22回目の始球式を行った。

Dawsonさんは「ポーランド症候群」という、先天性の疾患を抱えて生まれてきた。親指と小指が歪んでいて、中の指3本がなかった。右胸の筋肉も発達も弱弱しかった。

写真家であるDawsonさんの母親は、2014年にインターネットを検索する過程で、3Dプリンタを活用し低コストで義手を製作できるという情報を得た。その後、ラスベガスにあるネバダ州立大学に義手製作を要請。大学では、大学院生など学生が中心となり自費で3Dプリンタ義手プロジェクトが進められた。結果、Dawsonさんのためにカスタマイズされた人工義手が完成。義手には電気装置がなく、手袋のようにはめることで人工指を曲げたり広げたりできるようになっていた。価格は約200ドル(約22万円)。米国の一般的な義手製作費と比較すると、100分の1の水準だった。

Dawsonさんは5歳だった2015年に、義手を受けとった記念にネバダ州立大学の野球チームの試合で始球式を担った。同年8月には、メジャーリーグ球団・オリオールズ戦で始球式に登場。なおオリオールズはラスベガス警察で働く父の“ホームチーム”で、家族全員が応援するチームでもあった。

Dawsonさんは、2016年にホワイトハウスツアーでオバマ前大統領にも会っている。当時、米大統領を象徴するイーグルの文章を刻んだ義手を身に着けていた。Dawsonさんは、その後インスタグラムにラスベガス出身のブライス・ハーパー選手に会いたいという文を投稿。それが縁となり、2017年6月にハーパーが所属するワシントン・ナショナルズ戦で始球式を行っている。全30球場で始球式を行うという夢は、その時から徐々に大きくなっていったという。

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