野生動物の保護・観察に人工知能を導入...タンザニア・セレンゲティ国立公園

ロボティア編集部2018年8月10日(金曜日)

ハーバード大学をはじめとする5つの大学の研究チームは最近、タンザニア・セレンゲティ国立公園の野生動物を管理する人工知能(AI)の開発に成功した。研究チームによれば、人工知能は野生動物の写真数百万点を学習。その後、チーター、ゾウ、ライオンなど48種の動物を99.3%の精度で区別できるようになった。

また人工知能は、写真の中に何匹の動物がいるか把握する能力、動物の行動を判別する能力も備えているという。「移動中」「赤ちゃんを連れている」というような行動の詳細も、タグで確認することができる。

人工知能は、セレンゲティ国立公園で野生動物を保護する団体「スナップショットセレンゲティプロジェクト」が活用する。同団体は、セレンゲティ国立公園内に225個のモーションカメラを設置。野生動物を管理する業務を行っている。

プロジェクトの責任者クレイグ・パッカー氏は、ボランティア作業を自動化するためにマシンラーニングを使用できるかどうかをテストしたかったと、人工知能開発の経緯を説明している。同技術が開発されるまで、公園内で働くボランティアはカメラで撮影された野生動物の写真をひとつひとつ目視で確認しなければならなかった。人工知能は、約300万イメージが追加されるごとに、ボランティアの業務タスク処理時間を8年間分節約できるという。

研究に参加したワイオミング大学Jeff Clune准教授は人工知能について、生態系、野生生物、動物学、保全生物学など、動物の行動と関連する多くの学問分野をビッグデータに変換できる近道だと指摘している。

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Photo by snapshot Serengeti