中国で、自閉症の診断時間を短縮するための人工知能システムの研究が進められている。
2018年10月、「広東省精神・神経疾患研究センター」が、中山大学付属第三病院内にオープンした。同センターは、児童発育行為センター、精神心理科、神経内科、神経外科、脊椎外科、リハビリテーション科、バイオ治療センターなど脳関連の担当科と協力。細胞技術やビッグデータAIプラットフォームをベースとした、自閉症、脳神経損傷、神経損傷後のリハビリ、うつ病などの医療研究を進める。今後、国家レベルの脳科学医療プラットフォームとして位置づけられる予定だ。
人工知能とビッグデータを活用するというのが、同センターの主要な研究方針だ。最近では、子供の自閉症の早期補助診療、成年うつ病の精密診療などの活動が始まっている。今後、病院連盟に所属する58の医療機関と協力し、数百の専門連盟臨床機関からビッグデータを収集。人工知能を使った補助診断システムを開発することになる。仮にAIを使った自閉症の補助診断が可能になった場合、児童行為発育センターがそこに児童に関する学術的な観察および、映像学的な分析を組み合わせて、診断の精度を引き上げることができると期待されている。
なお人工知能の役割は、専門家の意思決定を支援することだ。センター関係者は、大量のデータを繰り返し分析し、ディープランニングなどを適用すれば、医師はこれまで10年間にわたり蓄積しなければならなかったノウハウを迅速に獲得していくことができると説明している。
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