【中国発】近視の進行具合を予測するAIロボット登場...100万人のビッグデータ活用

ロボティア編集部2018年11月19日(月曜日)

1年間に2回、定期的に子供の視力をデータとして入力すると、10年後に近視になる危険性を予測してくれる人工知能(AI)を搭載したロボットが公開された。

中国・広東省、中山大学・中山眼科センターの主任兼眼科病院院長・劉奕誌教授は、100万人以上の視力を測定したビッグデータをベースに、中国の若者の近視発生規則を発見。AIを使った近視予測モデルを構築したと発表した。研究論文は、11月6日、国際医学ジャーナル「PLoS Medicine」に掲載された。

劉教授は、2012年に中山眼科センターで研究したところ、15歳の青少年の近視率が78%にのぼっていたとし、彼らの近視がいつ始まり、どのように深刻化しているか、また早期診断の手はないものかと悩んでいたと研究の経緯について話している。

劉教授チームは2015年から、全国の病院・医療機関と協力。全国から、2005年から2015年の間に得られた125万ケースの近視測定ビッグデータを収集し、青少年の近視の発生と悪化・安定の規則を発見した。

研究チームは、今回の研究結果に基づいて機械学習を用いた人工知能予測システムを構築した。3年以内の近視進展プロセスを予測できる精度は91%だという。10年以内の精度も80%以上となる。研究成果は、近視予測サービスとして展開される予定。ユーザーが端末に1年前後の視力データや度数、年齢を入力すると、10年以内の近視の進展状況や高度近視の危険性を知ることができるようになるそうだ。なお、予測サービスが提供されるのは18歳以下の青少年のみ。現在、センター内で試験的に運用されている。

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