「クルエルティフリー化粧品」拡大…先端テクノロジーがもたらす、動物実験がなくなる日

ロボティア編集部
ロボティア編集部
Photo by crueltyfreekitty.com

そのような人工知能の発展状況を考え併せれば、動物実験を行うこと自体が非効率となり、自然に消滅していくシナリオも想定できる。クルエルティフリーはこれまで、「動物愛護精神」という倫理や道徳に支えられてきたが、将来的には経済合理性からその理念が達成される可能性も浮上してきたというわけだ。

なお人工知能以前にも、クルエルティフリーを達成するためのテクノロジー開発は続けられてきた。代表的なのは、「人工皮膚」の開発である。ロレアルは、2015年にバイオプリント企業・オルガノヴォと提携。製品テストのためのいわゆる3Dプリントの人工皮膚を、大量生産する体制を確保している。英企業・XcellR8も、化粧品業界向けに人工皮膚を開発。動物実験の代替案として活用できるよう研究に尽力している。

この流れからいえば今後、「人工知能×人工皮膚」という観点も非常に有効となるかもしれない。人工皮膚を使って得られた試験結果をデータベース化すれば、人工知能の学習効率を高められるからだ。各企業がデータの共有に賛同するか否かは定かではないが、テスト結果を記録するためにブロックチェーンなど最新テクノロジーを利用するという手もある。改ざんが不可能なプラットフォームにデータが残れば、安全性をより確実に担保できるようになるだろう。

消費者が手にすることができる情報が増えるにつれ、企業の倫理・道徳、社会への貢献性がシビアに問われる時代になった。クルエルティフリーに関しても同様であり、進行中の法規制やマーケティング的な動向からみても、各企業にとっては抜き差しならない問題となりつつある。幸運なことに、動物実験を行なわずして製品開発を可能にするテクノロジーは、続々と登場し始めている。それらのうち、どのような組み合わせがもっとも有効かつ経済的か。美容業界は、クルエルティフリーを経営視点からも精査していく必要がある。

※本記事はBeautyTech.jp掲載の『先端テクノロジーがもたらす「動物実験がなくなる日』」」を改題・再編集したものです。