未来学者トーマス・フレイ所長が「未来産業の光と闇」を指摘

ロボティア編集部2015年11月5日(木曜日)

「次世代の仕事は未来産業にある。 2030年になれば、私たちは3Dプリンティングされた服を着たり、個々人のために作られた薬を服用し、ドローンで物を受け取り、無人自動車利用することになるだろう」

 元IBMのエンジニアで、世界屈指の未来学者としても知られるダ・ヴィンチ研究所トーマス・フレイ(Thomas Frey)所長は、「2030年には、全世界の雇用の半分である20億人の雇用が消えるだろう」と予想。ロボットと人工知能の発達により、人間の仕事を減る指摘している。一方でメディアの取材に答えながら「職業が消えたとして、失業者が生まれるわけではない」と付け加えている。ロボットやソフトウェアが仕事を代替えするが、それを操るのはあくまで人間であるということだ。

 フレイ所長は、「私たちは考えの幅や、技術的能力を高め革新に備えなければならない」とし「実際に、過去30年の間に米国で新たに生じた職業を調査した結果、ほとんどが創立5年以下の企業で生じていることが分かった」と強調した。

 加えて、注目すべき未来産業としては、IoT、3Dプリンタ、ドローンなど、さまざまな情報通信技術(ICT)の融合産業を挙げた。3Dプリンタを使えば、服や個人用の薬などカスタマイズされた製品を作ることができるし、最近は野球場、船、病院など大規模な建造物を作る方向にも発展しているという。またドローンも、農薬散布、郵便配達だけでなく、レストランで料理を提供するようなサービスに活用されていると話す。

 フレイ所長はまた、来年末にはゼタバイト(ZB)時代に入ると予想している。ゼタバイトは1兆1000億ギガバイト(GB)に達するデータ量である。今後、それらの膨大なデータはコンピュータではなく、頭にかぶるウェアラブル機器などを通じて送受信されるだろうという。「データの急増と接続が、複数の技術を発展させるように促進すると同時に、セキュリティ、プライバシー問題も重要な課題として浮上するだろう」と指摘している。

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