日本のロボット産業の現状と課題…ロボット工業会・矢内重章氏

日本のロボット産業の現状と課題…ロボット工業会・矢内重章氏


Posted date:2015.11.05



ウェイトレスロボット

photo by xinhuanet


 日本の強みである産業用ロボット分野の今後の課題は?

 大きくはふたつではないないでしょうか。ひとつは海外への販路拡大、もうひとつは国内需要の掘り起こしです。特に日本国内において需要を広げるのは重要な課題になるかもしれません。現在、日本の産業用ロボットの顧客の7割は海外。国内では、産業全体がほとんど一部の自動車企業や電気・電子企業系の大企業に依存して成り立っている状況です。

 大手自動車企業や電気・電子企業といえども、年間に作る商品数は決まっていますよね。それに、一度、設備投資をしてしまえば数年は需要がなくなります。それよりも、国内で9割を占める中小企業や、三品市場(食品、医薬品、化粧品)の需要を掘り起こすことが必要になってくると思います。

 近年、一般の人たちが生活の中で使う、いわゆるサービス用ロボットの開発が世界中で話題になっています。日本ではどのような動きがあるのでしょうか。また、サービス用ロボットのビジネスを成功させるために必要なことは何だと考えられますか?

 現在、各企業がサービス用ロボットの開発に乗り出しています。また、ソニー、富士通、三菱重工の3社が中心となってロボット・サービス・イニシアチブ(RSI)という団体などを発足した経緯があります。

 これまで、いくつかの企業が、いわゆるコミュニケーションロボットなどを開発しましたが、多くが撤退を余儀なくされています。理由としては、コスト&ベネフィットの問題もあるのですが、さらに大きな要因としてはキラーアプリの不在が問題となりました。

 例えば、掃除ロボットなどは掃除をするという機能やアプリケーションに特化していますよね。言い換えれば、特定の用途にあった商品を開発して、使い道をはっきりさせないとビジネス的に厳しいのではないかと思います。最近話題のドローンも、ここ数年はホビー用として売り出されている傾向が強い。今後、産業用とホビー用にしっかりと区分されてくると思いますし、警備用ですとか、自然保護用ですとか、用途に沿った商品の開発が必要になってくると思いますよ。

 そもそも、ロボットが何でもできるという風に考えるのは間違いです。ビジネスにしていこうと考えたら、なおさら目的を特化して作る必要があります。例えば、産業用ロボットもほとんどが塗装や溶接など特化した形になっている。汎用ロボットもあるのですが、最終的に企業に納品する時には個別の条件に合ったソフトウェアがセットになっています。

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参照
roboticstomorrow.com