セコム、世界に先駆けるドローン警備サービス誕生の裏側

セコム、世界に先駆けるドローン警備サービス誕生の裏側

Written by 河鐘基

Posted date:2015.12.12


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 アマゾンがドローンを使った宅配サービス構想を発表する約1年前の12年12月。民間防犯用サービス分野でのドローン実用化を掲げ、小型無人飛行監視ロボットの試作機を世界で初めて公開した企業がある。日本でもっとも長い歴史を誇る警備保障会社・セコムだ。前田修司前社長(現会長)は当時、メディアに対し防犯用ドローン開発の背景を次のように語った。

「セコムの50年の歴史は、常に、犯罪を減少させたいということにあった。そのためには、不審な自動車や犯人に近づくことが大事である。セコムの技術力に加え、世の中のインフラが整ったことで、小型飛行監視ロボットによる犯罪防止が実現可能であると考えた」(ascii.jp×デジタル

 セコム社は同構想を実現すべく、研究・開発を順調に進めてきたようだ。15年5月11日には、翌月6月からドローンを使ったサービスを開始すると正式に発表。メディアをはじめ、社会の高い関心を集めた。

 15年5月20日から幕張メッセで行われた「第一回国際ドローン展」では、そのセコムの警備用ドローンが一般にお披露目された。機体全体に、銀と黒の塗装を施されたシンプルかつシックなクワッドコプター(4ローターヘリ)。シリーズ3作目あたりの「ロボコップ」を連想させるドローンだ。

 そのセコム社の警備ドローンについて、海外メディアからは好評価が送られている。例えば、米ニュースサイト「コンピューターワールド」は、「多様なビジネスに提供されることが期待される」と報じており、一方、米セキュリティー専門ニュースサイトである「セキュリティーセールス&インテグレーション」は、「セコムはドローン以前から防犯用ロボット開発に着手していた」とその歴史に触れながら、今後のビジネスの見通しについて詳細に報じている。

 そもそも、警備現場における実用化は、ドローン活用の大きな柱のひとつとして、国際的に期待されている分野である。セコム社のドローンは民間での使用を想定しているものの、すでに警察でドローンを導入している国もある。今後、逃走車両の追尾、犯人の顔や行動の特定、市街地パトロールなどの用途が想定されており、警備・防犯の精度向上や、警察官の死亡リスク軽減などのメリットが期待されている。

 セコム社の発表によると、今回開発された警備用ドローンには画像認識、センシング、位置情報解析などの最新テクノロジーが搭載されているという。また、警備対象となる敷地を網羅するレーザーセンサーや、3Dマップ、GPSなど空間情報処理技術も駆使されており、的確かつ迅速にアクシデントに対応できるようになっているそうだ。

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