インテル(Intel)が去る8月27日、中国ドローンメーカー・ユニック(Yuneec)に6000万ドル(約72億円)以上を投資したと発表した。インテルおよびパートナー企業は今後、事業用ドローン分野の可能性を高く評価していることが分かった。
インテルCEOブライアン・クラーザーニッチ(Brian Krzanich)氏は、今回の投資について「我々は、業界に革命を巻き起こしたドローンを、インテルのロードマップに含むことにした」と語った。最近ドローンは“高価なおもちゃ”としてではなく、魅力的な技術として注目を集めている。農業、建設、商品の配送など、さまざまな分野での活躍が期待されている。
なおインテルはすでに、ドローンのソフトウェアをオープンソースで開発するためのプロジェクト「ドローンコード・プロジェクト(Dronecode Project)」にも、積極的に関与していると言われている。PCやスマホに続き、ドローンに新しいビジネスの可能性を見出しているというわけだ。
米ニューヨークに本社を置くABIリサーチが2015年1月に発表した報告書によると、ドローン市場は2018年84億ドル以上の規模に達するとされる。また同報告書は、ビジネス用ドローンの収益が2014年から2019年まで、年平均51%の成長率で増加すると予測している。また、ビジネス用ドローン市場規模はホビー用ドローン市場の約5倍、軍事用ドローン市場の2倍以上に拡大する見通しである。
ABIリサーチのロボット工学の分野ディレクターであるダン・カーラ(Dan Kara)氏は「チップ・ベンダーや家電メーカーは、ドローン市場において演算処理や画像処理など、主にスマートフォン向けに開発された技術を転用することができると報告している」と指摘している。また、「チップ・ベンダーは、製品の応用分野がひとつ増えるだろう」とも明らかにしている。
ブライアン・クラーザーニッチ氏は、インテルのユニックへの投資が、ドローン業界を大きく変えるものと確信している。さらに彼は、「商品を配送や、自然災害地域の状況を確認するなど、ドローンが生活や社会を変化させると考えている」と述べた。
インテルとユニックは、今後の製品開発で協力する。インテルがどのような技術をユニックに提供するか、現段階では明らかにない。インテルの広報担当者は、「インテルの全体的な目標は、投資と私たちの技術によって付加価値を提供することである。両社の協力を通したドローン市場の成長を後押しする計画だ」と語った。
インテルはユニック以前に商業用ドローンのソフトウェアを開発するAirwareと、センサー機器とデータ分析のプラットフォームを製造するPrecisionHawkにも投資を行っている。ドローン関連のスタートアップに出資するのは3社目である。
(ロボティア編集部)