英政府は、ドローンの安全規制を強化する法律をつくることを予告。商業用のみならず、ホビー用ドローンの登録を義務付ける方針だ。
今回、英政府はドローンの登録対象を、重量250g以上のすべてのドローンに拡大する方針。登録義務化に加え、操作免許の筆記試験、安全試験を受けるようにする規定も新設された。なお、飛行禁止区域におけるドローン使用が発覚した場合の罰金上限を、2500ポンドまで引き上げる。ケースによっては、刑法上の犯罪として処罰するようにする。
英運輸省(交通部)ロード・アマッド(Lord Ahmad)氏は、規制の強化について、大半の利用者はガイドラインを順守しているが、一部の利用者はこれを知らない。また、意図的に、公共の安全とプライバシー、セキュリティを危険に陥れているからだと趣旨を説明している。
なお現行の規定でも、カメラが搭載されているすべてのドローンは、ビルや車、人が集まる場所などの50m以内で飛行することができない。これら規制の強化に対し、ドローン愛好家からは反発の声が出ている。
FPV団体に所属するサイモン・デール(Simon Dale)氏は「犯罪者やテロリストではなく、ドローンを安全に利用する人々に影響を与えるだろう」と指摘している。彼は、最終的に利用者が高価な登録料を払うことになり、「自動車登録機関のように、ドローンの登録機関を設置するのはお金の無駄」とした。
また愛好家のひとりピーター・ギャルバビー(Peter Galbavy)氏も「現行の規定もカメラ有無に応じて違うので、嫌気がする(中略)プライバシーとは何の関係もない。(ガイドラインの設定は)重いドローンが頭の上に落ちるという懸念から始まったもので、現実を知らないと思う」と不満を吐いた。
一方、民間航空局のジョナサン・ニコルソン氏は「ドローンが飛行機に近づく事例が増えており、身近なところでドローンが飛んでいると警察に苦情を提出する人も増えている」と反論している。
英国は世界的に見ても、商業用ドローンの運行ガイドラインを、親企業的な立場で設定している。最近アマゾンは世界初となるドローンによる宅配「プライムエアー」の試験飛行を成功させている。
photo by UK Department for International Development