Googleの人工知能囲碁プログラム「アルファゴー(AlphaGo)」と、現役チャンピオンである韓国イ・セドル9段との対局が、きたる3月9日から1週間、ソウルで開かれる。
Googleは5日、イ・セドル氏とアルファゴーの対局を、3月9日から15日までの合計5回に渡り開催すると発表した。対局の日付はそれぞれ、1局が9日、2局10日、3局12日、4局13日、5局15日となった。全ての対局はGoogleの動画サービスYoutubeで生中継される予定だ。賞金は100万ドル(約12億円)となる。イ・セドル氏が5回中3回以上勝利すれば賞金を獲得できる。
アルファゴーは、Googleの子会社である英スタートアップ・ディープマインド(Deepmind)が開発した人工知能囲碁プログラムだ。他の囲碁コンピュータプログラムとの対局では勝率99.8%を記録しており、これまでアマチュアレベルにとどまっていた既存の囲碁人工知能プログラムを凌駕したという評価を受けている。
最近では、ヨーロッパの囲碁チャンピオンである中国出身のプロ棋士ファン・フイ(Fan Hui2段)氏に5勝全勝で勝利を収め話題を集めた。AIプログラムが現役のプロ棋士に勝利したのはアルファゴーが初めてだ。
これまで人工知能がチェスチャンピオンに勝利したことはある。1997年、IBMが開発した「ディープ・ブルー」が、当時チャンピオンだったガルリ・カスパロフ氏を下しタイトルを獲得した。ただ、囲碁はまだ人工知能が挑戦することができない分野とされていた。考えうる手の数がチェスよりもはるかに多いからである。囲碁にはおよそ、総250の150乗の手が存在すると言われている。
イ・セドル九段は「今回の大会は、コンピュータ人工知能がプロ棋士に対等に挑戦した初めてのケース」とし、「結果に関係なく囲碁界の歴史に意味のある対決になるだろう」と話している。また「グーグルディープマインドの人工知能の実力が既に相当なレベルに達しており、継続的に改善されていると聞いている。ただし、少なくとも今回は私が勝つ自信がある」と強調した。
photo by 韓国棋院