韓国国土交通部がヒュンダイ車を自動走行試験車両として認可

ロボティア編集部2016年3月8日(火曜日)

 韓国・国土交通部は、ヒュンダイ自動車に自律走行車の試験および研究目的での試験運行を許可した。車種としては自動走行機能を搭載した「ジェネシス」が対象となり、許可証交付とナンバープレートの発行など、試験運行に必要な手続きが3月4日に完了している。

 昨年11月、韓国では国土部・産業部・未来部が共同で主管した自動走行車のデモンストレーションイベントなどが開催されているが、実際の交通状況を想定し、道路の走行を許可したのは今回がはじめてとなる。

 試験運行は、自動走行車の試験・研究目的のための臨時運行許可に関する事項を規定した「自動車管理法改正案」が施行された、2月12日以降から可能となった。

 試験運行第1号車となったヒュンダイの「ジェネシス」は、制度施行当日に申請を提出。性能試験の代行機関である交通安全公団自動車安全性研究院に、必要な安全運行要件を満たしているか確認を受けた。

 韓国における自動走行車臨時運行許可のための要件には、運転者が自動走行中にハンドル、ブレーキなどを操作する場合に自動的に自律走行機能が解除される「優先モード自動切り替え機能」、主要装置の故障を自動的に検出して警告する「機能障害自動検出機能」、衝突の危険時に自動的に停止する「前方衝突防止機能」などがある。また、試験運行中に発生する事故に備え、トラブルの分析を可能にする運行記録装置、映像記録装置などを実装することも要件となった。

 また、自律走行中に前方及び周辺の交通状況を注視して、非常事態時の運転切替に即座に対応できるよう、2人以上の搭乗者が搭乗するように定められており、自動走行車であることを後方の車両が知ることができるよう「自動走行車試験運行マーク」を後方に取り付けるように務付けられている。加えて「自動車損害賠償保障法」に基づく保険加入も要件となった。

ヒュンダイ_ジェネシス
photo by Hyundai

 韓国・国土交通部は、昨年2月の段階でヒュンダイのほかにも国民大学が許可申請を提出しており、アンマンドソリューション(Unmanned Solution)など、研究機関が申請を準備していると伝えた。

 現在、自動走行車の試験運行は、昨年10月の段階で指定された6つの区間(京釜高速道路、嶺東高速道路などの一部区間)で可能である。しかし、今後は道路管理庁の判断の下に、いくつかの運行禁止区間を除いて、試験運行申請者が希望する地域で、試験運行ができるように制度を改善していく計画である。

 国土交通省のキム・ヨンソク自動車管理官は、今回の自動走行車の試験運行許可を契機に、国内研究が活性化することを期待しており、経過をみながら規制フリーゾーンなど市街地試験区間を拡大するとしている。また精密な道路地図の作成と、許可手続き補完・改善など、自律走行車の技術開発と産業育成のために支援を行い、自動走行分野を新成長動力として発展させていくと言及している。

photo by hyundai