アリババの人工知能が音楽番組の優勝者を見事的中させて話題に

ロボティア編集部2016年4月12日(火曜日)

中国企業・アリババ(阿里巴巴)の人工知能が、人気音楽番組「私は歌手だ(我是歌手)」の勝者を的中させ話題に。「私は歌手だ」は、複数のプロミュージシャンが出演し優劣を競うサバイバル音楽番組。中国ではもっとも人気が高いエンターテインメント番組のひとつとなっている。

 湖南TV が4月8日に放映した同番組では、アリババのクラウドサービス「阿里雲(Aliyun)」が、人工知能プログラムを使用。ファイナリストと優勝者の両方を正確に的中させた。客席にいた500人が投票に参加している間、同プログラムは勝者を占う作業を進めたが、その様子は生中継されたという。

 チャンピオンになったのは中国系アメリカ人歌手ココ・リー(COCO Lee)さん。彼女は映画「グリーン・デスティニー」のオリジナルサウンドトラックに収録されている曲「A Love Before Time」の中国語版を歌った。

 Aiは、対戦に参加した7人の楽曲を評価するため、歌の人気、歌手のピッチやエネルギー、歌詞の内容、視聴者の反応など様々な要素を考慮。“学習”を続け予想を導き出した。

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ミン・ワンミン博士 photo by sohu.com

 阿里雲のミン・ワンミン(闵万里)博士は「(グーグルの)alphaGo=アルファゴは非常に厳格なルールに従いますが、音楽やアートには基本的なルールがない(中略)私たちは、AIが感情や音楽を理解するように訓練しなければならなかった」と述べている。

 アリババは、内部的に顧客サービスとWebトラフィックパターンの予測に人工知能を使用しているが、そのAiを外部に露出したのは今回が初めて。中国ブログサービス「微博(weibo)」などネット上では多くのユーザーがAiの予想を賞賛しているが、一方でTV番組は“やらせ”ではないかという主張も出てきている。

 2012年以来、ミン博士チームは人工知能の開発を進めてきた。彼は今後、オーダーメイド型人工知能サービスを提供する計画だともしている。一方、アリババは現在、家の中の温度・湿度を調節するスマートホームシステムなど、さまざまなプロジェクトを進行中だ。

photo by 湖南TV