人間がロボットに触れた際、人間にはどのような反応が起きるのだろうか。
このたび、プラスチックや金属で作られたロボットに触れた際にも、人間に生理的な反応が起きるという研究結果が発表された。また同研究によれば、ロボットの特定の部位に触れた際、人間側に性的興奮が起きるケースもあるということが確認された。
4月5日、英メディア「ガーディアン」などをはじめとした複数のメディアは、スタンフォード大学の研究者が、ソーシャルロボット「ナオ(Nao)」を用いて行った一連の実験を紹介した。
今回の実験ではまず、プラスチック製のナオに、自身の身体13箇所を実験参加者(女性4名、男性6名)に触れるように指示するプログラミングを施した。一方、人間側の生理的・性的興奮と関連する皮膚伝導反応を測定するようにした。
結果、研究チームは、参加者がロボットに、人間の性器やお尻に該当する箇所を触れるように指示された場合、人間側が強い性的興奮を示す反応を示すことを確認した。研究者側は、そのような反応が起きる箇所を「接近性が低い身体的部位」と名付けているが、一方でその他の部位に触れるよう指示された場合、人間側には特に反応がない、もしくは低レベルの反応を示すことが確認された。
研究者の一人であるジェミー・リー(Jamy Li)氏は、「私たちの研究はロボットが特別で強力な新たな形のメディアになることを示しています。またロボットに対し、人間が原始的、社交的に反応していることを示しています。(中略)他人の親密な部位に触れる社会的な慣習が、ロボットにも適用できる可能性がある。同研究は、ロボットのデザインと人工システム理論の両方に影響を与えるでしょう」と述べた。
現在、世界ではソーシャルロボットやサービスロボットの開発が次々と進んでいるが、ロボットが人間の生理的反応を引き出すという研究結果は、その成果を拡大する上で大きなヒントになりそうだ。
同研究成果は、今年6月に開催される「インターナショナル・コミュニケーション・アソシエーション・inジャパン」(International Communication Association in Japan)」で発表される予定だ。