韓国でお酒を一緒に飲んでくれるロボット「ドリンキー(Drinky)」が話題に。2015年12月から翌年1月まで開催中の展示会「ロボットパティー」で、来場者の人気を集めている。
ドリンキーは、焼酎のショットグラスを人間に差出し、お酒を注いでほしいと要求。お酒を注ぐと一気に飲み干し顔を赤く染めると、しばらくして再び次の一杯をねだる。徐々に酔っぱらうドリンキーは、飲んだお酒が30杯を越えてくると、そのお酒を床にこぼしたり、ダンスを踊るなど異常行動を取り始める。単純にお酒を飲むだけではなく、酔っ払った人間のようにふるまうのだ。
ドリンキーの製作者であるパク・ウンチャン氏(韓国)は、大学時代にロボットを専攻し、ヒューマノイドロボットを製作した経験を持つ。が、現在はロボットと無関係な仕事をしている。パク氏は仕事の合間の余暇時間を使ってドリンキーを製作した。そのきっかけは、ごくごく個人的なものあった。
「3年前のクリスマス、ひとりでサムギョプサルの食べながら焼酎を飲んでいました。しかし、ひとりで飲む焼酎はあまりにも切なかった。そのため、自分の席の前に焼酎を一杯置いて、酒を注ぎ、乾杯をしてみたんです。すると不思議なことに味が変わった。そこで“一緒にお酒を飲む”という感性を刺激するロボットを作って、人と人との間の関係性を強調したいと思うようになりました」(パク氏)
もともと、ドリンキーが泥酔するお酒の量は、パク氏が酒に酔う焼酎7杯にプログラミングされていた。しかし、来場者がドリンキーにあまりに多くのお酒を与えるため、上限を30杯に変更した。パク氏は「誰でも簡単に“自分だけのロボットを作る”ことができると証明したかった」とし「全製作過程をブログに公開する予定」だと話している。
もし仮にドリンキーのような感性ロボットに人工知能が搭載されれば、お酒を飲みながら人間の愚痴を聞いてくれるようになるかもしれない。相槌を打ったり、適切なアドバイスをくれたりするようになる可能性もある。まったく空想に過ぎないが、他で場所で、ひとりで飲んでいるお客さんと通信できるような仕組みも魅力的。気分に合った音楽をチョイスしてくれたり、お酒の味に最も合うつまみを紹介してくれるような機能が付けば最高のアシスタントロボットになる。
人口知能を搭載したアシスタントロボット(秘書ロボット)や、感性ロボットは世界中で研究・開発されているが、人間が本音を話す酒の席に付き合えるロボットというのは、かなりユニークではないだろうか。
(ロボティア編集部)