米国でドローンと航空機のニアミス事件が相次いでいる。
今年1月、ビーチクラフト・ボナンザのパイロットが、「機体の左ウィングから4分の1マイルほどの距離を、黒いドローンが飛んでいるのを見た」と報告した。5月には、タレクゥアから出動したイーグルメッド・ヘリコプター(救急サービス用ヘリ)が、「白いドローンが、機体から300フィートの距離でついてくるのを見た」と話している。7月には、タルサにあるリチャード・ロイド・ジョーンズ・ジュニア空港の滑走路の端で、赤と緑の光を放つ小さなドローンが飛行しているのを通行人が目撃している。米国国内でのドローンの使用はここ数年で急増している。同時に、無人飛行機がパイロットを乗せた飛行機の近くに接近する事件が多発している。
2014年11月から現在まで、全国的に似たようなニアミス事件が100件近く起きた。もちろん、そこにはオクラホマ州で過去8か月に起きた5件の出来事も含まれる。ちなみに、オクラホマは米国有数のドローンメッカとして知られる。これらの統計は、アメリカ連邦航空局の週刊戦略プレスリリースで明らかになった。
「ドローンユーザーは、その危険性について自覚しなければならない」と、カレン・カーニー(Karen Carney=ウィル・ロジャース・ワールド空港のスポークスマン)は話す。
「(ドローンの)テクノロジーはおそらく政策を上回っている。そしてそれは猛烈な勢いで成長し続けている。ホビー用と商業用のドローンについて、適切なルールと規則を開発する時間を取る必要があるのではないか」
2012年のFAA 近代化及び改革法(The FAA Modernization and Reform Act of 2012)は、運輸大臣に無人飛行機が国内で飛行するための耐空証明を発行する権限を付与した。いくつかの商業用ドローンは、ルールに則った形で、ケースに応じてすでに権限を与えられている。
FAAによれば、趣味や娯楽でドローンを使う人々は、400フィート以下の飛行制限と、最低でも空港から5マイル以上離れなればならないなど、以下に記すFAAの安全ガイドラインを守ることを“強く推奨”されている。先週、FAAはパイロットがドローンを目撃した数が、2014年の238件から、2015年の8月までですでに650件まで跳ね上がったことをアナウンスした。カルフォルニア州が最も多い170件。ついでフロリダ州の92件とニューヨークの79件となっている。
世界中でドローンの法整備が望まれる背景には、このような危険な排除しようとするものである。米国内でも賛成派と反対派の間で熾烈な議論の応酬が続いている。
以下、FAAのメッセージ
オクラホマでは今年、パイパー社のエアクラフトが巻き込まれるニアミス事件が2件起きています。一度はバレンタインデー。パイパー社のPA46機のパイロットが、オクラホマシティーから東11000フィートの距離でドローンを目撃したと報告。その無人機は、パイパー社の飛行機の高度1000フィート下を飛行していました。3月には、サンダンス・エアパークから出発した同社のP28A機が、滑走路の端から300フィートの距離をドローンが飛行しているの発見し報告しています。
ここ数カ月にわたる、パイロットによるドローン目撃報告の激増で、FAAははっきりとしたメッセージを送る必要があると感じています。“ドローンを、飛行機やヘリコプターの周囲で飛ばすことは大変危険であり違法”です。ほとんどのドローンは小さく軽量ですが、プロペラやウィンドシールドに衝突したり、ジェットエンジンに巻き込まれると、災害になる危険性は非常に高いです。
飛行中にガチョウの群れと遭遇し、ハドソン川にUSエアウェイズ1549便を無事に不時着させた元パイロットのチェルシー・サリー・サレンバーガーは、ドローンと飛行機の組み合わせの危険性について指摘しています。
「わたしたちは、6~8パウンドの鳥が飛行機を墜落させるを見てきた」と、サレンバーガーは言っています。「装置がバッテリーやモーターなど、複雑な部分を含んでいると想像してみてください。それが起こるかどうかは問題じゃありません。実際に起きた時に問題になるのです」
ニューヨークの民主党上院議員チャック・シューマー氏は「多くのニアミス事件には仰天させられる。そしてそれは、実際に“事故が起きるまでの悩みのタネ”だろう」と、最近になって話しています。チャック・シューマー議員は、空港付近や危険が起きやすい空域では、500フィート以上飛べないテクノロジーをドローン製品に導入する法案を導入することを計画しています。
「その法律なしでは、みすみす事故が起きる可能性を増やすことになる」と、彼は言います。
オクラホマとドローンの歴史は、先日11月に上院で導入された法律も含みます。ラルフ・ショーティー(R-Oklahoma City)は、ドローンが土地に侵入した場合、土地所有者が撃ち落とさせるべきだとしましたが、その法案は議会中に通過しませんでした。
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