ロボットバブル前夜の中国で補助金目当てのダミー会社が乱立

ロボティア編集部
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中国_ロボットバブル3
photo by news.oeeee.com

 補助金が潤沢になれば、補助金目当てのダミー会社も増える。実際、会社を分社して登録したり、ロボット研究所と協力して既存の部品を組立・変形させ、「イノベーションを達成した」という過剰な報告をする企業が現れているという。

 さらにひどい企業もある。とある企業はロボット製造業者にロボットを注文。どのように設置すればよいか問われると「市政府の官僚たちが来たときに動いていれば問題ない。どのように設置するかはあまり関係ない」と回答したという事例もあったそうだ。政府官僚にアピールできればそれでよく、実際にロボットを販売したり製造する気はあまりないということだろう。また、地方官僚が技術についてあまり見識がなく、現地調査もしっかり行われていないという問題があると経済観察網は伝えている。

 中国では地方政府の補助金のおかげで、ロボット産業が“大躍進”を遂げているという報道・評価が多いが、実際はそれほど楽観的ではないのかもしれない。中国政府は、2020年までに国際競争力を備えた大型ロボット企業3つ、ロボット産業クラスター5つを造る計画を明らかにしているが、地方政府間の実りのない過当競争により計画が難航する可能性も否定できない。

 中国当局はそのような実情を受け、ロボット産業に規範を作る政策も整える意向だ。ただ、来年の秋に中国最高指導部の人事が入れ替わるとともに、地方指導部の大規模な人事異動が行われるという説が出回っており、ロボットで業績作りに奔走する地方政府の過剰政策に拍車がかかるとのではという予測がある。

 中国は補助金で新興産業ブームを起こすには成功したが、実体のないロボットバブルが生まれる可能性も否定できない。いわゆる“玉石”を選別する具体的な施策が、中国の新興産業育成策の成否を左右するカギになると見られている。