ドイツ産業用ロボットメーカー大手・Kukaと、その親会社となった中国家電メーカー・美的(Midea/ミデア)が、サービスロボット市場に進出する計画に言及した。美的は2016年にKuka を45億ユーロで買収している。
Kukaのティル・ロイターCEOは18日、米メディアのインタビューに対し、「Kukaはロボット技術において、美的は消費者産業において専門性がある(中略)我々はともに消費者ロボット(=サービスロボット)をつくるろうと思う」とコメントした。
1898年に設立されたKukaは、産業用ロボットメーカーとして有名だが、ヒューマノイドロボットなどを開発した経験はない。現在、サービスロボット市場は急速に発展すると見られているが、そこでKukaは家電製品に強みを持つ美的と連携し、家庭用ロボットを開発することを希望しているとした。
国際ロボット連合会(IFR)によると、産業用ロボットは2015年の一年間で、世界的に25万台が販売された。しかし、サービスロボット市場は、その産業用ロボット市場よりも大きくなることが予想されている。市場調査会社・トラクティカ(Tractica)によれば、おもちゃやロボット掃除機を含むサービスロボットは、2016年に約1000万台が販売された。また、サービスロボット市場は昨年38億ドル規模から、2022年には132億ドル規模にまで成長すると予想している。
ロイターCEOは、幅広く活用できるスマートなロボットをつくりたいとしたが、どのような種類のロボットを開発するかは明らかにしていない。ただ人間の補助を目的としたロボットに興味があると米メディアに伝えている。
産業用ロボット企業にとって、サービスロボット市場の開拓は容易ではない。ロイターCEOは「会社を変貌させて次の可能性を追求するというのは、我が社のDNAでもある」と意気込みを見せた。
photo by KUKA
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