中国家電大手ミデアが、独産業用ロボットメーカー・クカを買収

ロボティア編集部2016年7月18日(月曜日)

 中国最大の家電メーカー・ミデアグループ(美的集團・Midea Group)が、ドイツ産業用ロボットメーカー・クカ(Kuka)を買収。株式の76%を取得した。

 海外メディアは15日、ミデアグループがクカの株式を45億ユーロ(約5252億円)分追加で仕入れ、持ち株比率が76.38%に増加したと報じた。

 もともとクカの株式13.51%を保有していたミデアグループは7月3日、クカの最大株主であるドイツ企業・ボイト(voith)から、持分25.1%を12億ユーロ(約1400億円)で買収。12日後に追加で株式を買い入れた。

 1968年、中国広東省で設立されたミデアグループは、昨年の世界シェアで4.6%を記録し、世界第2位を占めた。ミデアグループはハイアール・グループとともに、中国二大家電メーカーに数えられている。ミデアグループは最近、海外企業買収に熱を上げている。去る3月には、東芝の家電事業部門を537億円で買収するとした。

1898年に設立されたクカは、ドイツが推進する「インダストリー4.0」を象徴する企業だ。アウディ、BMW、現代自動車、ボーイングなどの生産ラインに使用されている産業用ロボットを開発している。

 ミデアグループがクカを買収したことで、世界トップレベルのロボット技術を確保することになる。中国政府はロボット産業を未来の中核産業のひとつにすえており、2020年までに産業用ロボットの販売台数を15万台に増やし、そのうち50%を中国産で賄うという計画を進めている

 ドイツ政府と欧州連合は、多くの産業情報を保有しているクカが、中国に買収されることを警戒してきた。