スポーツ用品大手アディダス(adidas)が、ほとんどロボットのみを使ってつくったシューズを公開した。今回公開されたシューズは、顧客のカスタマイズシューズの生産を担当することになるロボット工場「スピードファクトリー」戦略を象徴する製品だ。
現在、アディダスは靴の生産の大部分を、中国などアジア諸国にアウトソーシングしている。この地域で生産される靴は年間3億足にのぼるといわれている。ただ今後は、大部分の靴をロボットで生産する体制に移行する計画だと表明している。なお、まだロボットによる大量生産は本格的にはじっておらず、今年は500足程度のプロトタイプのみをつくる予定だという。
とはいえ、長期的に生産体制が変化していけば、中国、ブラジルなど新興市場の労働力は競争力を失う可能性がある。アディダスは、2017年には米アトランタにもロボット工場をオープンする予定。アトランタ工場では、来年下半期に5万足ほどが生産される計画だ。