【ドローン・マジック】ライゾマティクス・石橋素氏インタビュー

ライゾマティクス_ドローンマジック3
Images by Carmen Kam​

―最近、エンターテインメントと広告、また先端技術やアートの領域が曖昧になっている、もしくは近づいてきているという印象があるのですが、その点についてはどのような考えをお持ちですか。

 僕たちとしては、これまでやってきたことと、最近の動向が異なるという認識はあまりありません。エンターテイメントや広告分野では、クライアント側が実現したいこと、もしくは何かを達成したいという意向がまずあって、僕たちはその課題をどうクリアするか、叶えるかという点に徹しています。

 一方、アートは僕たちの側が世の中に発信したい内容を込めるようにしています。アート分野で新しい表現に挑戦し、それを見たクライアントの要求に沿って内容を発展させ、エンターテイメントや広告分野に活かしていく。ライゾマティクスの特徴は、その両輪があることだと思います。

―ドローンに関連するプロジェクトを進める上で、刺激を受けた人物や団体はありますか

 広告サービス系ではないですが、スイス・チューリッヒ工科大学のラファエル・ダンドレア氏率いる研究チームの活動は、とても刺激になります。ドローンに関しては、非常に先端的な研究をしていらっしゃる。ちなみに、ドローン関連のプロジェクトやイベントのオファーをいただくのは、海外企業や団体が多いです。まだ世界を探しても、同様の技術を持った企業は数社しかなく重宝してもらっています。

―ドローン以外の先端技術を駆使したプロジェクトについてもお聞かせ下さい

 先日、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)を取り入れたプロジェクトも発表しました。「border」というパフォーマンスです。これは、ヘッドマウントを装着してもらった10人のお客さんにパーソナルモビリティに乗ってもらって、会場には白い箱を5つを置き、周囲ではダンサーがパフォーマンスを行います。

 ヘッドマウントにはミックスド・リアリティ、つまり実写とCGが組み合わされた映像が流れます。参加している皆さんは、現実と仮想現実の境界を体験することができます。パーソナルモビリティはWHILL社にお借りして、位置や動きは事前にプログラミング、制御しています。そのほかの先端技術を使ったプロジェクトも、常にテストや開発中です。

河鐘基

記者:河鐘基


1983年、北海道生まれ。株式会社ロボティア代表。テクノロジーメディア「ロボティア」編集長・運営責任者。著書に『ドローンの衝撃』『AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則』(扶桑社)など。自社でアジア地域を中心とした海外テック動向の調査やメディア運営、コンテンツ制作全般を請け負うかたわら、『Forbes JAPAN』 『週刊SPA!』など各種メディアにテクノロジーから社会・政治問題まで幅広く寄稿している。