【ドローン・マジック】ライゾマティクス・石橋素氏インタビュー

【ドローン・マジック】ライゾマティクス・石橋素氏インタビュー

Written by 河鐘基

Posted date:2016.05.26

ライゾマティクス_ドローンマジック4
Images by Carmen Kam​

―広告と先端技術の未来についてはどのような私見をお持ちですか

 今後、各企業が開発する技術・製品は、生活など実用的な面でどんどん高性能になっていくと思います。ただ、広告表現として、ドローン、AR、VR、またそれに次ぐトレンド技術が頻繁に使用されるようになるかと言われれば、僕個人としては少し懐疑的な面もあります。というのも、本質的な部分と少しずれている感が否めないからです。

 例えば、とある企業が開発した新商品があり、その商品とAIはまったく関係ないとします。その時に、広告としてAIを使った表現をするというようなケースは、これまでにもありました。しかし、それはあくまで広告での見せ方の話にとどまりますし、AIの表面的な使い方に過ぎない。企業側としては、それらの技術を取り入れて、サービスもしくは製品を良くしていく方が正しいと感じていると思います。僕個人としても、先端技術を導入した広告表現は、それら技術の“表面”だと思っていて、もう少し深い部分で活用する術を企業とともに模索する方が正しいと思っています。

―人工知能やドローンなど、テクノロジー発展については、危険視したり、ネガティブな論調もあります。そこについてはどう思われますか。

 僕たちとしては基本的に楽観的な姿勢で、より楽しく、より驚きがあることを仕掛けたり、技術の良い側面を伝えていきたいと考えています。

 実は、ドローンのパフォーマンスを準備しはじめた当初、ダンサーの皆さんが怖くて踊れなかったということがありました。あれだけブンブンと周囲にドローンがたくさん飛んでいるので、無理もありませんよね(笑)。ただ、練習を繰り返していくうちに、ドローンがどういうもので、どういう挙動で動くのか分かってくる。最終的に接することができるようになり、新しい表現を獲得するという結果にいたりました。

 それは、人間の適応力の高さを示すエピソードだと思いますし、ダンサーさんに限った話ではないと思います。人間は、得体が知れないものでもやがて理解できるようになるし、それを上手く使いこなせば、それまでなかった“豊かさ”が生まれるのではないでしょうか。

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参照
rhizomatiks