大手IT企業によるドローン関連プロジェクトが次々と進められています。
まず、半導体メーカー・インテルと、米通信会社大手AT&Tは2月、モバイルワールドコングレス2016(MWC)で、ドローンがLTEネットワークを通じてどう動作するか確認するための協力チームを設置したと発表しました。そのプロジェクトでは、インテルのモデムおよび衝突防止技術を搭載したドローンが、実験に使われているそうです。
もともとLTEネットワークは地上の機器を接続するように設計されたネットワーク。ただ、AT&TのITF(Internet of Things and Foundry)チームは、ビデオストリーミング、テレマティックス送信(移動体に通信システムを組み合わせて、リアルタイムに情報サービスを提供すること)、フライト情報共有などをサポートするため、信号の干渉と高度などを考慮し、ドローンにLTEを適用する場合の利点を研究しています。
そもそもAT&Tは、IoTをサポートするために無線インフラの構築を検討していますが、ドローンもその一部になる可能性が高いと見られています。
マイクロソフト社の研究機関マイクロソフトリサーチは、プリモニション・プロジェクト(Project Premonition)を推進中です。これはドローンを使って害虫を捕獲したり、疫病の発生を防ぐためのプロジェクト。共同で参加するのはジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)、ピッツバーグ大学(University of Pittsburgh)、セントジョージズ大学(St Georges University)の研究者たちで、舞台はグレナダとなります。
同プロジェクトではまた、ドローンがハッキングされることを防ぐオペレーションプログラムの開発も担当しています。
一方、IBMのT.J.ワトソンリサーチセンター(T.J.Watson Research Center)は、ドローン関連プロジェクトの一環(PR)として、卓球をするドローンの動画を披露しています。ただこのプロジェクトの目標は、ドローンという領域で、コンピュータビジョン(撮影した画像から、コンピューターが対象となる世界を理解する技術)、エネルギー効率的な演算、客体追跡などの技術など、さまざまなハードウェアとソフトウェアを組み合わせることにあるそうです。
IBMはまた、音声命令でドローンを動作させたり、コーヒーを配達するなど、実験的な動画を公開しています。
シスコシステムズとディメンションデータ社は、赤外線カメラが搭載されたドローンで密猟を監視するプロジェクトを推進しています。南アフリカのハンティングが禁止されている地域で疑わしい活動を監視し、密猟者から主にサイを保護しています。両社はそれは、監視およびデータ分析のために保安ネットワークも構築しています。