米百貨店・macy'sがAI「ワトソン」を採用したテスト結果を発表

ロボティア編集部2016年7月26日(火曜日)

 米ニューヨークに本部を構える百貨店メイシーズ(Macy's)が、IBMの人口知能・ワトソンを採用したモバイルサービスのテスト結果を発表した。

 メイシーズのオンコール(On-Call)というツールは、スマートフォンを所有している買い物客に、ワトソンが把握している店舗の製品、サービス、施設について質問をすることができようになっている。モバイルのブラウザに質問を入力すると、IBMのパートナーであるサティスファイ(Satisfi)の位置分析ソフトウェアを通じて、クラウドからワトソンに接続される。現在、対応言語は英語とスペイン語となる。

 ワトソンの答えは、各店舗用にカスタマイズされていて、スマートフォンのGPSを通じて位置を把握し、ユーザーが要求する質問に対して、それぞれ状況に応じた答えを提示する。

 ユーザーが「男性用の靴はどこにあるのか」、または「○○(ブランド名)の下着はどこにあるか」など入力すると、ワトソンはその場所を教え店舗へ誘導する。

 メイシーズのオンコールは、各店舗の顧客に対応するためマシンラーニング技術を採用。米国全土の10のメイシーズ店でプロジェクトが進められてきた。メイシーズデジタルメディアグループの副社長、セレナ・ポーター(Serena Potter)氏は「メイシーズは小さく、テストから始め、素早く設置、データを蓄えたのち、規模を拡大することに重点を置いてきた。メイシーズチームは、(顧客の)質問と回答に注視している」とコメントを残している。

 メイシーズは、すでに買い物客にそのモバイルアプリを提供している。ポーター氏は「顧客がモバイル(サービス)を使用することにより、店舗内のショッピング体験をもっと豊かにできるだろうと期待している」と付け加えた。