複雑な年末調整の作業を、人工知能(AI)が代替してくれるサービスが米国で登場する。米税務コンサルティング企業・H&Rブロックが、IBMとパートナーシップを締結。税額控除や還付など複雑な税務サービスに活用する計画だと、米国各メディアが報じた。
ワトソンは74000ページ分の米連邦税法と数千件の税金関連質疑、60年分の所得税申告書などを学習した後、来週からH&Rブロックの拠点100カ所以上で、税務サービスを提供する予定となっている。
ワトソンは顧客の相談内容をもとに、クラウドサービスを利用して税額控除を計算。税理士の業務を支援する役割をはたす。H&Rブロック側は、スーパーボールの中継時間に60秒のTV広告をうち、新サービスを紹介する予定だ。
一方、ワトソンの導入をきっかけに、税理士の仕事が奪われるのではないかという懸念も出ている。当事者であるH&Rブロックのジョージ・ガウステロ(George Gaustello)氏は、「税法は変わり続ける(中略)(AI)システムを絶えず訓練する必要があるため、税専門家が先頭かつ中心部にいることになるだろう」と懸念に反論している。
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