医療や自然観測、顧客対応サービスなど、数多くのサービスに取り入れられているIBMの人工知能(AI)・ワトソン(Watson)が、新たな領域に挑戦した。その領域とは、映画の予告編=トレーラー制作だ。
米各メディアは、ワトソンが20世紀フォックス社の映画「モーガン(Morgan)」のトレーラーを作成したと報じた。モーガンは人工知能をテーマとして扱ったSFスリラー。科学者たちが学習するヒューマノイドを作るのだが、これがコントロール不能になるというあらすじになっている。
ワトソンは、モーガンの印象的なシーンを抽出、編集した。IBMは、事前に100本以上のホラー映画の予告編をワトソンに学習させた。結果、ワトソンは観客の緊張感を最大限に盛り上げる10シーンを選んだ。人間の編集者が少し手を加えはしたものの、ワトソンは10日から一ヶ月かかる作業を、24時間で終えたという。
米IBM側は「当初は『コンピュータが映画を理解できるのか』という質問を受けた(中略)今後、ワトソンの活用の幅がより一層多様になるだろう」とコメントしている。
日本では最近、60代女性が患っていた特殊な白血病(二次性白血病)を10分で見抜き、治療に貢献したとしてワトソンの知名度が上がったばかりだ。今後さらに、どのような分野に応用されていくのだろうか。