台湾OEM大手・ペガトロン(Pegatron)がドローン市場参入

ロボティア編集部2016年6月26日(日曜日)

 台湾OEM大手ペガトロン(Pegatron=和碩)は今年、ドローン産業の成長を見越してタブレット、ウェアラブル端末に加えて、初のドローン製品を公開した。その名もFlyyo(フルヨ)だ。

 なおペガトロンはOEM企業として始まり、2010年に上場。2013年に鴻海(ホンハイ)のiphone製造独占市場を崩すことに成功し急成長した。2015年のフォーブス500強では355にランクイン。これは関西電力の384位、マツダ429位、スズキ436位よりも上位。受託製造(EMS)では急成長を遂げ、最大手・鴻海に次ぐ二位につけている企業だ。

 ペガトロン会長・童子賢氏は、メディアに対し次のように語っている。

「ドローンのこれからの発展には期待しています。しかしまだ立ち上がりです。未来のドローンは自動操縦のように進化していくでしょうし、ハード設計やソフトウェアプログラミングのレベルをどんどん上げていかねばなりません。さらには飛行の安定性を向上させ、もっといえば向かい風、追い風、強風などの状況下でもしっかり撮影できるようなものが求められるでしょう。」

 今回、ペガトロンはクアルコムと戦略提携をし、スナップドラゴン8226(Snapdragon8226)を採用し、システムはアンドロイド4.4(Android4.4)での開発が可能。ハードウェアの設計力に加え、飛行安定性や手のジェスチャー認識での撮影等を支えるオプティカルフロー、ロボットビジョン、ディープラーニングなどのソフトウェア開発力でも自社の実力を見せつけた。

 機体は軽量かつ薄く大きさは250×250mmで重量は僅か160グラムと非常にコンパクト。積載重量は230グラムで搭載しているカメラは800万画素となっている。予定価格は6000台湾元(約18,900円)。

VR_ペガトロン
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 一号機は一般消費者を対象としているが、将来的には通信や工業利用用途も見越しており、例えば3Dスキャン、地形測量など工事時のコスト削減とスピードアップ向上が期待できるとしている。また、危険物調査、救助用途での活用も視野に入れており、そのために電池消耗の削減を達成し飛行時間向上を目指す。現状の飛行時間は15分だが、今後25~30分を目標とし様々な用途需要に対応すると意欲を見せている。

 ペガトロンは今回、ドローンの他にもVR、スマートハウスデバイス、子供用教育デジタル端末等も発表しており、OEMから自社開発商品へ舵を切ったこの戦略に今後も注目したい。