AI企業・Appierがフォレスターコンサルティングに依頼し、アジア太平洋地域の企業の人工知能導入状況を調査。調査報告書「Artificial Intelligence Is Critical To Accelerate Digital Transformation In Asia Pacific」を9月5日に発表した。
報告書によれば、インドネシアの回答者65%がすでに人工知能を導入、もしくはその範囲を拡大・アップグレード中であるとし、8つの調査対象国のなかで最も進んでいることが分かった。また全回答者の半数(53%)以上が、人工知能導入の最も大きな課題としてビッグデータの収集・統合を挙げた。
人工知能の導入では、インドネシアが1位(65%)、中国(63%)、インド(62%)が続いた。これら3カ国は、韓国(57%)、シンガポール(50%)、日本(47%)、台湾(44%)など、経済的に進んだ国よりも高い順位となった。一方、多くの先進国の回答者が、今後12カ月以内に人工知能を導入すると明かしており、数値の差は縮まるものと予想される。導入予定では、オーストラリア(35%)が最も高く、シンガポール(31%)、台湾(28%)の順となった。
またアンケート結果では、人工知能を使った事業運営の改善、企業-消費者間の相互コミュニケーションの向上に期待が寄せられていることも分かった。特に前者に対する回答者たちの期待が大きい。全回答者のうち71%が、人工知能を導入した際の最も大きな効果として「ビジネスの効率化」を挙げており、62%は「製品やサービスの改善」を期待していることが分かった。唯一、シンガポールの回答者だけが、人工知能を通じた顧客との関係性向上を最大のメリットに挙げた。
なお、韓国、台湾、インドネシア市場の回答者は、人工知能を通じた製品のイノベーションに主眼を置く一方、日本、シンガポール、オーストラリアなどは人工知能を活用した既存のソリューションの改善を求める傾向にあるという。
一方で、アジア太平洋地域の回答者の半数(53%)以上が人工知能を導入する上で最大の課題を「ビッグデータの収集・統合」とした。加えて、「複合機能チームの構築」(51%)は、「適切なデータ管理および予測分析プラットフォーム識別」(52%)、「多角化されたチャネルからのデータ収集」(49%)、「技術および専門サービスパートナーの開発と選定」(43%)など、運用上の課題を克服するために苦労していることも明らかになった。