昨今のロボット・人工知能の発展を受け、各国で関連法の議論が加速するなか、欧州でも動きがみられた。
欧州議会(European Parliament)はロボットを「電子人間(electronic persons)」と位置付け、人間と同じように権利と義務を持ち合わせるようにしようという、新しい法案を提出した。
この法案は、ロボットが人間に代わって労働したことで発生する、失業などの損失に対する責任を指摘したもので、ロボットの所有者が税金を出すなど、社会保障に貢献しなければならないと強調している。 また、基本所得や確実な福祉プログラムも、失業時の保証内容として提示された。加えて、産業ロボットで雇用を代替した場合に発生する利益から、税金を徴収すべきだとも指摘している。いわゆる「ロボット税」が支払われるべきというものだ。
ただこれは、あくまでも欧州議会内の決議案にすぎず、反対多数により議会通過は難しいと予想されている。仮に可決されたとしても、同議会は法案提出権を有していないため、法的拘束力はない。
ロボットの需要は続々と増えている。 国際ロボット連盟(IFR)によると、昨年、世界で販売されたロボットは前年より12%増加した24万8000台で、史上最大だった。ロボットがごく一般的な労働に携わる未来は、すぐそこまで来ているのかもしれない。