貧富の格差が一目で...ドローンで空撮した南アフリカの写真が話題

ドローン空撮_南アフリカ
photo by Johnny Miller

「南アフリカ共和国でアパルトヘイト(人種隔離政策)が撤廃され22年が過ぎたが、黒・白人間の“障壁”はまだまだ大きい」

 そう語るのは、米シアトル生まれの写真家ジョニー・ミラー(Johnny Miller)氏。ミラー氏は最近、南アフリカのケープタウンで新しいプロジェクトを開始した。プロジェクトのタイトルは「unequalscenes(不平等な場面)」。そのプロジェクトの進行過程で撮影された写真について、ミラー氏は次のように話す。

「ドローンでケープタウン市内の景色を撮影してびっくりしました。建築物(の様子)からアパルトヘイトの残滓が垣間見えた。富裕層が住む地域と貧困街が明確に区分されているのです」(ミラー氏)

 ミラー氏が撮影した写真を見ると、片側には緑の中に高級住宅が広々と位置している。もう一方には、古く、小さな住宅が密集している様子を見てとれる。

「南アフリカ共和国の人種差別について、新しい視点を提供したいと考えていました。子供たちと一緒にこの写真を見ながら、貧富の格差について議論するのが良いでしょう」(ミラー氏)

 ミラー氏は、「南アフリカは非常に特別な歴史を持っている」としたうえで、「都市計画者および住宅の管理者は、私の写真を見て連絡してきた。“肯定的”なコミュニケーションが始まった」とコメントしている。

 ドローンがもたらす空からの視点は、ジャーナリズムに大きな変化を与えている。以前には、シリアなどの内戦地域を撮影したロシアのクリエイターの動画が、世界で大きな反響を呼んだ。今後、ドローンを使ったジャーナリズムやアートが、既存のモノの捉え方を破壊し、社会に新しい形の影響をもたらすかもしれない。

河鐘基

記者:河鐘基


1983年、北海道生まれ。株式会社ロボティア代表。テクノロジーメディア「ロボティア」編集長・運営責任者。著書に『ドローンの衝撃』『AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則』(扶桑社)など。自社でアジア地域を中心とした海外テック動向の調査やメディア運営、コンテンツ制作全般を請け負うかたわら、『Forbes JAPAN』 『週刊SPA!』など各種メディアにテクノロジーから社会・政治問題まで幅広く寄稿している。